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07


 この先どうすべきかを、真剣に考えてみる。



 正直、国やら大組織やらに実力行使で来られても割と余裕、のつもり。


 俺の『創造』って、まだ全然本気出してないけど、


 家族を守るためならジェノサイドだってためらわない覚悟はある。


 だから、分かりやすく反撃出来る荒事の方が、本当はありがたい。




 問題なのは、影でコソコソされること。


 俺の存在に気付いた人たちが、


 スクランブル体制で警戒しっぱなしなこと。



 それもこれも、俺が厄介な能力持ちの不審人物扱いだから。


 わけ分からん能力を、わけ分からん使い方してる、わけ分からんヤツ。



 ……確かに、不審者極まりないですね。



 まだ能力全部がバレバレってわけじゃないようだけど、


 そのあやふや状態こそがドン引きされてる理由なんだろうな。



 ただ、世界中全てから危険人物扱いされてるってわけじゃなくて、


 一部の有力者や組織のみってことが救いですね。



 でもやっぱり、なにしでかすか分からん不審者を、


 いつまでも野放しにしておかないだろうな。



 現にこうして逮捕勾留、じゃなくて隔離保護されてる、


 って、あれ?



 みんなが牽制しあってるはずなのに、


 これって巡回司法省が一番乗りで俺の確保に乗り出したってこと?



「いえ、私の独断です」


 ルーリシェラさん?



「私は巡回司法官として、争い事の火種を滅してまわるというこの仕事に誇りを持っています」

「でも……私はわがままだから、自分が守りたい人たちを自分の手の届く範囲でだけ守れれば良い、とも考えています」

「シジマさんの能力は、いとも容易く国を滅ぼせるほどのものなのでしょう」

「その矛先が私の大好きな人たちに向かないよう、私の巡回司法官としての全てを懸けてシジマさんへの全ての監視行為を止めさせるよう行動すると決めました」

「それゆえ、こうして話し合いの機会を得るため、独断での逮捕に踏み切ったのです……」



 ……ありがとうございます、ルーリシェラさん。



「シジマさん?」



 確かに俺はこの世界にとって、わけ分からん存在なのかもしれないけど、


 腫れ物扱いでずっと監視されっぱなしってのは流石に嫌です。


 だから、ルーリシェラさんがこうして真剣に対応してくれたこと、


 正体不明の存在ではなく、不審者なりに人間扱いしてくれたことが、


 とてもうれしいです。



「こちらこそ、司法官としてあるまじき行為に踏み切ったにも関わらず、そのような真摯な対応をしていただけたこと、感謝の念に堪えません」

「ゼハリア潜入捜査官からの緊急連絡の後、すぐに私がシジマさんの監視担当となりました」

「これまでのシジマさんの行動には全く恥じるものなど無かったことを、私の巡回司法官としての全てを懸けて皆に証明してみせます」


 えーと、恥じるところが全く無かったわけではないのです。


 ノリノリで素人マジシャンとか。



「女王様も大絶賛の、素敵なマジックショーでしたよ」



 勘弁してください……



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