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06


 長すぎたので、まとめてみた。



 ① この世界の通貨は、通貨管理システムがその全てを把握・管理している。


 ② 通貨管理システムの許可を得た者のみが、"通貨製造"可能。


 ③ 俺は既に"通貨製造"許可を取得済み。



 はい、③に注目。


 今回の逮捕での俺の罪状は"統一通貨偽造"


 ③と矛盾してますよね。



 これについての見解を、ルーリシェラさんに問いたださねば。




 ---




「シジマさんが違法な通貨製造に関与していると、然るべき筋からの通報があったそうです」

「しかし通常は、そのような通報のみでは巡回司法省は動きません……」


 つまり、本当の逮捕理由は通貨偽造じゃないってことですよね。


 俺が製造した硬貨には一切問題が無いことが分かっていた上で、


 それでも逮捕に踏み切った理由は?



「個人が気軽に通貨製造しているという状況は、やはり普通では無いのです」

「国家のような集団に属する責任ある立場の者以外には、余程のことがない限り"通貨製造"許可は与えられません」


 あーなるほど、普通の一般人でモブ野郎な俺が、


 正式な"通貨製造"許可を得ているとはいえ、


 あちこちでお金を作りまくって、ほいほいバラまいてるのは目障りだ、と。



 まあ、俺って見るからに権威権力とは縁遠いザコ冒険者って感じですし、


 そのうえぶらり旅の旅先では不審者ムーブ全開。


 そりゃあ一般人のくせに調子に乗り過ぎれば逮捕もされちゃいますよね。



「いえ、そうでは無く……本当の理由は別にあります」

「これは勾留ではなく、シジマさんの"保護"を目的としたものなのです」


 保護って……もしかして、希少な"通貨製造権"所有者の囲い込みですか。



「いいえ、それも違います」

「実は……シジマさんは、巡回司法省情報管理部門の最優先監視対象です」

「それどころか、主要各国や名だたる有力組織の全てが、競い合うようにして全力で監視活動中なのです」


 ひょっとして、ゼハリアの街からずっと……



「……はい」


 凄いな、監視されてるって全然気付けなかったよ。


 流石はプロの監視員。


 まあ、ずっと覗かれていた俺としては、当然面白くないのですが。



「各機関による総力を挙げての監視でも、出自も背後関係も真実は一切不明」

「シジマさんに関しては、選りすぐりの凄腕監視員たちも頭を抱えているとか」

「明らかに規格外な尋常ではない能力を有しているのに、それを家族との日常生活にしか使用せず、挙げ句、あの状況でド派手なマジックショーを……」


 すみません、マジックショーには触れないでほしいです……



「とにかく、シジマさんをザコだの不審者だのと侮っている者は、少なくとも私の周りにはおりません」

「むしろ、情報を正しく認識出来ている有力者ほど、対応に慎重にならざるを得ないと苦慮しているのです」

「そして今は、各国各組織がシジマさんを遠巻きにして牽制しあっている、非常に危うい状況なのです」


 何ですか、それ。


 四六時中監視されっぱなしってだけじゃなく、


 争いごとの火種扱いじゃないですか。



 ……何だか、思ってたよりも厄介な状況だったよ、俺。



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