世界と自分との隔絶を
世界と自分との隔絶を、ずっと、出来ないと悩んでいたんだ。
……人との距離感が取れないと、苦しみ続けてきたんだ。
どうして自分はこんなに汚いのかと、無理やり世界と自分を意識的に隔絶させようとさえ、してきたんだ。
……それらが、今は、……ひどく、遠い。
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もうすこし早くこのような状態になればよかった、なんて、いう人がいるかもしれない。
……今までのあなたの辿ってきた精神的な過程は、まったくの無駄だった、とその人はわたしを上からみくだしながら言おうとするかもしれない。もしかしたら、銃のひとつでもわたしの額におしつけながら。
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でも、そんな人間は、……目の前にゃ、いないんだ。
……いないんだよ。
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わたしは、この過程が大事だったと、自らを認めて、納得させるしかない、
……いや、そうじゃない。……納得したいんだ。
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……今は、ひどく、しずかな、さざ波のように
小波しか、たっていないよ。
ひどく、静かな、夜の海、だと思う。
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もしかしたら、月のひとつでも出ているのかもしれない。
それは、……すげー綺麗でさ、
俺は、きっと、その月に見とれるんだろう。
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世界と自分の隔絶なんて、……ひどくかっこつけたことを言ってみたけれど、
……結局は、心に余裕ができた、と、それだけを言いたいんだと思う。
わたしの心にポケットができたんだ。
……安心する、それ、さ。
人との距離をとる、なんてこと、知らなかった
……それをするにゃ、……先ず、自分の心のなかに安心するポケットが必要なんだな。
先ず、自分の心をそのポケットに一度入れて、そこから、きっと静かに、相手の様子を知った上で
そのまま、手を差し出す。
よろしく!
よろしく、そう言いながら、きっと、距離をつめていこう。
そんなものだ、……きっと、そんなもの。
……そんな、目の前のあなたなら、よっぽど簡単にできるだろうことが、
……俺には難しかった
……そういった、馬鹿みたいな話
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わたしは、きっと、それを知らなかった
なにを、って聞くだろ、
別に大したことじゃない、
それは、その距離感のなかに、特別なものを、きっとあるようにみえて、
それを、みようとしていた、そういう
馬鹿みたいなことの類さ
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パーティみたいな特別なことが、そう、早々そのあたりに転がっているなんて、特別感、
きっと、あるわけないだろうに
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ただ、馬鹿みたいに笑うことも
ただ、馬鹿みたいに怒ることも
それを自然だと思えている内は、駄目なんだって、知らなかった
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世界と自分との隔絶を、
そんなものをずっと心の奥に秘めていた訳じゃない
……そんなこと、これっぽちも気づけなかったし、
知っても居なかった
……でも、それでも、憧れていたんだと思う
ちいさな奇跡みたいなもの、に思えていたのだと思う
……結局は、自らの心を救い出せるのは、自分しかいないっていう、ほら穴のなかから覗き込むようにして出したあの時のわたしの結論は間違ってはいなかったけれど
……ほんのちっとばかり、間違っていることもあった。
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それは、他者に求めるものを、誤っていた、……という、その、一点だった、ってことなのだけれど、
……それを気づけるような状態にわたしが無かった、という、だけの、
……馬鹿みたいな、オチだ
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そう、俺は、そこから、誤っていた、という話だろ、
それで、よいじゃねえか
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そう、それでよいのだと思う、
結局は、そういう話さ。
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ありがとう。




