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夢のお城
「さ、荷物をとりあえず置いて。
今他の生徒は色々と活動しているから、それが終わって人が多くなる前に、施設を紹介しておくよ」
「あ、はいっ」
そうして講堂、運動場、中庭、温室と色々案内された。全てが物語に出てくるような綺麗で豪華な建物で、ステラは夢でも見ているような気がするほどだった。
そうしてジムがひと通り説明し終わる頃には、ステラはへとへとに疲れ果てていた。
「…ふぅ、これで終わり、かな?」
「…あ、ありがとうございました…」
「うちは広いから、疲れたでしょう?
それじゃあ、君の同部屋の子たちも帰ってきたようだから寮へ戻ろうか。彼らを紹介するよ」
「あ、はいっ」
ステラは疲れた足に鞭を打って再びジムの後を追った。