衝撃の事実
しばらく歩くと白い両開きの扉が見えた。
石造りの建物に少し不自然なほど白い扉を開けると、ジムは荷物を降ろしてふーっと息をついた。
「…よし、ここが、今日から君の生活する白兎寮だよ」
「…し、白兎寮…?」
「うん、この学校の生徒は入学すると学科関係なく4つの寮に分けられる。他の寮は紅狼寮、青蛇寮、紫猫寮だよ。ちなみに僕はここの寮長をやってるんだ。」
「へぇー…」
「ここは大広間。すぐそこは談話室で、その向こうのテーブルがあるところが僕たちが食事をする食堂。」
ステラはぴょこぴょこと可愛らしい仕草で周りを見回す。ジムはそれを微笑ましく見つめていた。
「ん、んんっ!そ、それじゃあ君の部屋へ案内するよ」
「あ、はい」
2人は談話室の横の螺旋階段を登っていった。
廊下にはいくつもの扉が続いていて、ジムはその一番奥の扉に向かって歩いていった。
「基本、部屋は2人で共同なんだ。」
(……え…?)
「ただ、君は少し違う。」
「…?」
「君は3人部屋だ」
(え、えぇーーーっ!?)
衝撃の事実にステラはめまいがした。
〜王立シルヴィアナ魔法アカデミー〜
・普通科…ハイレベルな能力を身につける学科で卒業後の進路は様々。平民と貴族が混じっておりヒエラルキーは貴族が上。どの講義も満遍なく受ける
占星術科…占星術に特化した学科で卒業後は王宮占い師や学者になるものが多い。平民が多め。理数系の講義が多い
魔法騎士科…国王直属の魔法騎士になるための学科で卒業後はほとんど魔法騎士団に入団する。貴族の子女がほとんど。体育実技の講義が多い
魔法声楽科…歌による魔法に特化した学科で卒業後は聖職や看護医療、芸術家になる者が多い。貴族の子女が多め。芸術系、看護系の講義が多い
・午前中は学科関係なく編成されたクラスで基本講義を受ける(8時〜12時)
午後から学科に分かれて講義を受ける(13時〜17時) 講義が終わると委員会や部活動