13/42
宴の支度
「…ステラって、女みたいな名前だな」
思わずアーサーが口にした言葉はステラを激しく動揺させた。
「え、えぇっっっ!?」
「…あ、悪い。気に障ったか?」
「う、ううん、そんな事ないよ、大丈夫。」
(もうバレたかと思った…)
「お前、学科はどこなの?」
「わた…僕?僕は確か…魔法声楽科だよ」
「ふーん、ならオレと同じだな」
「そうなの?嬉しいなぁ、友達と同じだなんて!」
ステラの純粋無垢な返答をサミュエルは直視できずに目を逸らした。
「あれ、アーサーも魔法声楽科?」
「いや、俺は魔法騎士科だよ。朝は鍛錬のために早く出るからいなくても心配しないでくれ」
「うん、わかった。…でも大変だね、朝からだなんて」
「まぁ…な。ただ、全て越えるべき壁だと思えばなんて事ないさ」
同い年とは思えないほどしっかりした考えにステラは目を丸くした。
「…コイツはこういうこと平気で言うやつだから。」
少し壁を感じていたサミュエルの方から近づいてきてそっと耳打ちをした。
「ふふっ。」
コンコンコン
ドアがノックされ、扉の向こうからジムの声が聞こえた。
「おーい、もうそろそろ新入生歓迎会だからなー
制服のままでいいから支度しろよー」
3人は顔を見合わせて各々の支度に取り掛かった。




