第6話 初任務
「うーんとじゃあこれにしようかな。」
「それはだめ!」
「じゃあもうレイティが選んでくれよ!」
「初任務は自分で選んだほうがいいでしょ!」
さっきからコレの繰り返しだ。
俺は今レイティと一緒に初任務の依頼を選んでいる。
昨日はというと受付のお姉さんが俺のジョブをギルドの仲間達に公開したせいでえらい目にあった。
まぁ歴史的瞬間らしいのでそんな場所に立ち会ったら皆んなに話したくなる気持ちも分からないではないけど。。
テーブルに座ってお酒を飲まされその周りを囲まれ逃げれないようにされて質問攻めにあった。
と言っても俺は記憶がないので話せる内容も限られてて結局マスターが俺を救出してくれたんだけど。。
まぁその代わり皆と仲良くなれた気がするからいいか。
夜はギルドの二階にある部屋で寝させてもらった。メンバーの中にも家がない人は少なくないらしい。この国は土地が高く自分の家を持つには名家のぼっちゃんか上級の冒険者で定期的に稼げる人じゃないといけないらしい。
という事はレイティも上級の冒険者なんだな。とりあえずの目標は自分の家を持つ事だな。そのために頑張って強くならないと。
それで朝ギルドの掲示板で依頼を見ていたんだが。。。ずっと目をそらしてきた事に気づいた。。。
俺字読めないんだった。。。
それで、丁度いいタイミングでギルドに入って来たレイティに頼んだのだ。
レイティに頼むと快く引き受けてくれた。
しかし、結果がこれだ。。心配性のレイティは俺が選んだ依頼をことごとく否定してくる。
心配してくれるのはありがたいんだけど。このままじゃ俺任務受けれないんだけど。。。。
「そうだ!レイティそんなに心配なら一緒について来てくれよ!」
「俺は天才かもしれない、こんな美女と一緒に依頼ができてお金も貰える。
まさかこれが究極職支配王の力か!?」
「なわけないでしょカイン、声に全部出てるよ。しょうがないなーじゃあこれ行こう!Dランクのモンスター 森で暴れてるラッドゴリラの討伐ね!」
「Dランクなら俺でもいけるな!」
「ちなみに森で遭遇したゴブリンはEランクよ。」
ですよねー。大丈夫なのか?一気に不安になってきたが今回はレイティもいるなんとかなるだろう。
この安易な考えが後にカイルに災いを振りまく事になる。
レイティが受付で登録を済ませてこっちに戻ってきた。
「それじゃあ行こうか」
俺がそう言ってドアに向かって歩いて行くとレイティが俺を呼び止めた。
「え?待って待って、まさかカイル装備無しで行くつもり?」
「ん?当たり前だろ?金ないし。」
「そんなの絶対だめ!私の使い古しの剣なら貸せるからせめてそれを持って行って。」
という事で心配性のレイティもとい心配性のオカンの家に行き俺はレイティの剣を借りた。
使い古しと言っていたがどこも錆びておらず今も定期的に手入れされているような状態だった。
「それじゃあ今度こそ行くとしますか!俺の記念すべき初任務へ!」