第三章の十五
「…………」
私はヴィヴィから渡されたステータスカードを、食い入るように見続ける。
それこそカードに穴があくのではないかと思うほどに、凝視し続ける。
一縷の望みをかけて。
専士という職業が、実はかなり使える職業なのではないか――そんな淡い期待をかけて詳細まで読み込んでいく。
ステータス
職業:専士 レベル1 体力10 筋力:1 魔力:1 敏捷:1 運:1
スキル
カレー作成
「…………」
死んでいた。
見事に死んでいた。
どうやら専士の専は、専業主婦の専だったらしい。
ここが地球だったならば、育てていけばかなり使える職業間違いなしだ。さぞいい奥さんになるだろう。
しかし、ここではどう考えてもクソ職業だ。
戦闘系職業じゃない職業が、一概にクソ職業とは言わない……だがしかし、このスキル構成とステータスの低さ。
「完全だ」
『何がなのですよ?』
私は心の中で言葉を発してくるフェブリへと言う――なにがって決まっているだろう。
「完全に地雷職業を引いてしまった」
『でも炊事洗濯は大事なのですよ?』
「あぁ、そうだろうな」
でもなフェブリ。
レッドドラゴンという戦闘に特化したような種族が、地球における専業主婦のような職業についてどうする!
本人がどうしても専業主婦の化身のような職業に就きたい! そう言ったのなら、私は別にとめはしない。
しかし。
「これで敵をなぎ倒すのだぞ!」
私から奪い返したステータスカードを剣か何かに見立てて、ブンブン振り回しながら走り回っているヴィヴィ。
「…………」
こいつは間違いなく専業主婦の化身のような職業――専士になりたかったわけじゃない。
絶対勘違いしている。
「何で私のパーティーはダメ職業ばかり増えていくんだ……」




