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第3話 : 連鎖

 この短編は、ちょっとダークな話かもしれません。本短編集では皆さんに「明るく、楽しい」を、と思っていましたが、

ちと違ってしまうかも……。

 休日前の会社帰り妻に

「今日は、夕食はいらないから、ちょっと飲んで帰るから」と、

既に飲みモードである。

2.3軒の飲み屋を梯子はしごし、最後のお店は、キッチンバーなる店であった。あまり流行っていなかったが、料理も上手いし、俺の大好きなカラオケも歌える。そんなちっちゃな店で、

(カウンターに10名弱で一杯かな?)

そんな処だった。


 もう午前2時を回ろうかとしていた時間、店のドワ越しから、ママさんに、もうおしまい? の合図を、

するとOKのサインが戻って来た。


 店に入るとひとりの女性客が居た。

ママさんが、

「元気だった? 元気そうね、良かった」と私の返答など聞かずに、おしぼりを出し、

「ウーロンハイだったよね」

と、私の言葉など関係無しにウーロンハイを用意していた。


 まっ、いつもそんな調子のママさんだから、言うがままにしていた。

だから、かえってそれがくつろぎの時間だったのかもしれない。

一次会・二次会と先輩達に気を使い、やっと自分の飲みの時である。


 ママさんが、

「はい、これ!」と手渡してくれたのは、カラオケ用のいつもの機器だった。

2.3曲かな? 歌って自己満足の世界に入る。

ママさんは

「次は?」などとも、

少しゆっくりしたいなと思い

「また直ぐ歌いますから……」と。


 私は煙草を手に取り、のんびりとした時間を楽しんでいた。

すると、私は逢った事は無いがその店の常連さん? あるいは、ママの友達なのか? すでに来ていた女性客と親密そうな話をし始めた。

私はもともと他人様の愚痴(会話)など聴きたくないタイプであった。

(他人様の愚痴などで旨い酒の時間を壊されてしまう方が嫌な人間である)


 その人は、泪を浮かべながらママさんに

「どうして虐めちゃうの、私があんなに嫌いだったのに!」

(負の連鎖? なのか良く解らないが、その人も子供の頃に虐待を受けたようだった)


 するとママさんが、

「貴女が切らないと子供もそれを引きずるの! もし、子供を愛してるなら、そして自分の様な苦しみを味あわせたくないなら、貴方がその負の連鎖を断ち切るしかないの」

「もう心に残っている傷は、自分では背負うしかないけど、もし、その連鎖を切りたいなら、貴方が頑張るしかないの。子供達のために……」


 私は、その会話を聞き流せなかった。

幼少期にはぐくんだ受けた心は、いくら自分で思っていても、反面教師になろうとしても、そう簡単にはいかない物なんだな、と思った。


 そして、自分を振り返る。

結局は、おやじと一緒じゃないか?


これは、誰が悪いわけでもない、強いて言えば、

『自分自身』なのだろう……なと。



 次話は、笑えるショートを、と思っています。

今回は、私の心も、ちとダークだったのでこの様な物になってしまいました。

本短編集は、皆さんに、そして自分自身にも『ポジティブ思考』と思い、終わりなき短編集を投稿しようと思っていたのですが……。

 今回は、ちとダークだったでしょうか?

ゴメンなさい。

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