第一話「大惨事」
ファンタジーと記載しておりますが、序盤少しコメディが含まれております。
ご了承ください。
魔法暦1000年1月1日。
ピピピピピピピピ
「んがっ……朝か……」
部屋一杯に響き渡るアラームオーブを鬱陶しそうに止め、体を起こす。
時計を見るとAM11:30
「………………嘘やん」
10秒で着替えて家を飛び出した。
「ちきしょう!何であのタイミングでアラームオーブぶっ壊れてんだよ!昨日ちゃんと魔力補充しといたのに!」
ギルドまでの道のりは片道約2km走れば間に合にあう距離であるが人がやたら多くて思うように進めない。
「くっそ!転移オーブ使うか……?」
転移オーブは便利だが1つ5800MGとそう簡単に使えるものではないためなるべく使わないようにしている。
「でも今は迷ってる暇無いよな……」
青紫のオーブを取りだし、
「転移!ヴァルハイム魔術師ギルド!」
と叫ぶと、体が青紫の光に包まれ……
目を開けると……女子トイレ内にワープしていた。
そして最悪なことに目の前には女ギルド団員。
「キャアアアア!変態いぃぃぃ!」
1日目からやらかしてしまった。
「お前も物好きだな。女子トイレにワープするとか」
そう茶化してきた男子生徒は悪友のクレル=シュレディンガー。
小学生で友達となりいまでもその関係は続いてる。
「賠償金請求されたんなら払ってやるぜ?」
「お前に払わせるとろくなことないから遠慮しとくわっていうか賠償金請求されてねぇよ。というかそもそも故意じゃねぇし!すべての元凶は試供品転移オーブだ……」
転移オーブ取り出したと思ったら試供品取り出してたわ。許すまじ試供品……
「おいおい、別の場所に飛ばされなかっただけましだろ?」
「は?他の場所?」
「1回だけだけどジャン・グルーシって店あるじゃん?俺そこに試供品使ったらジャングルの秘境に飛ばされちまってよ」
恐るべし試供品……
そんなバカ騒ぎしていると、
「そこのバカ二人、ちょっと黙ってくれない?」
振り向くと、そこには誰も居ない。
「気のせいかな?誰かに話しかけられた気がするけど」
「奇遇だな俺もだぜディック」
もう一度振り向くが、やはり誰も居ない。
「空耳だな」
「空耳だね」
「あんたらねぇ……下を見なさいよっ!」
は?下?
視線を下に向けるとそこには少女?が立っていた。
ただ19歳の俺たちから見ると、とてつもなく小さい。9、10歳ぐらいの身長だった。
「あれ?小さい子がこんなところに」
「外に連れていってやれよ」
少女はケタケタと笑うクレルを睨みつける
「あんたら私をバカにするのもいい加減にしなさい!私はれっきとしたギルド入団者!」
「へぇ……今こんな子まで募集してるのか」
「団長の趣味と見た」
二人揃ってぶっと吹き出した。
やっべ思わず吹いちまった!
その前で女少女はぶちギレ寸前になっていた。
「あんたら見た目で判断するようじゃまだまだ甘いわよ……今は縮んでるけど今私は18よ……」
………………
しばらくの沈黙のあと、
「あひゃひゃひゃひゃ!あり得ねぇ!この小ささで18歳と申しますか!腹いてぇ!」
少女は完全にキレたようだ。
なんとか自分がターゲットにならないように計らってみる。
「クレル失礼だろうに、それに縮む魔法って聞いたことあるぞ(大嘘)。十分に18歳という可能性はある。」
「おいおいディックそこは笑うとこだろ?縮む魔法があったとしてもアホすぎる!」
「コロス……」
あ、これダメなやつじゃん。
女の子(18)がポーチから取り出したのは強撃オーブと破砕オーブ。つまり骨は折りに来てるということ。
「あれー?ちょっと不味いかもなこれ……ディックどうに「すまんが急用が入った去らばだッ!」
そいつの威圧は半端じゃない。
「あぁ!?待って!見捨てないでぇぇ!」
すまん、去らばだ戦友よ。
「覚悟はいいわねぇ?大丈夫腕一本だけ残してあげる」
何とか生きてくれ……
「アギャアアアアアアアアア!?」
尊い命が一つ減ったような気がした。
To be continue……
初投稿作品になります。自分は前々から小説を一度書いてみたく、投稿させて頂きました。アドバイス、コメント等々よろしくお願いします。