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魔神との契約者  作者: 千年樹
学園入学編
3/11

五年

この国最強レベルの魔法使いでも十人はいないと、全滅してしまう、という秘境、それが死の森だ。

しかし、和也はそこに住んでいた。



「あんたなんて、産まなきゃ良かった」母さんが言った。


「お前は白狼の名にふさわくない、ゴミだ」父さんが言った。


「何でお前みたいなのが、僕の弟なんだよ!」兄さんが言った。


「あんたみたいな奴は、私の弟じゃない!」姉さんが言った。


「お前がいると、俺まで低く見られんだよ」弟が言った。


「何故、あなたのようなクズがこの世に存在するんでしょうか」妹が言った。



「今日もいい朝だな~」

今、和也は五年間住んでいる小屋の前でストレッチをしている。

五年経ち、背が伸び、顔つきも大人っぽくなった和也は、道を歩けば、十人が十人とも振り返るような美少年になっていた。(本人は自覚皆無だが)

髪の色は白から黒に変わっている、これは五年前に力をもらった時、一緒に色を変えてもらったのだ。深い紅色の瞳は無気力なまま変わっていない、いや、少し無気力さが増しただろうか…

右手には虹色に輝く、魔石が埋め込まれている。普通、魔石は高級な武器防具などにして、魔力を流して使うのだが(今はコストパフォーマンスが悪く、護身用として持っているものが、ちらほらいる位だが)和也は魔力を放出することがほぼできないため、(長年の修行で、30%位は放出出来るようなった)その身体に直接埋め込んでいる。





「本当にこの魔石凄えよなー」俺が呟くと、

「当たり前だな、我の身体なのだから」と魔石から声が聞こえる。

契約した後、魔神はお主の歩く道を見たいと言って、この魔石に宿ったのだ。

「いやいや、オーガの一撃受けて罅一つはいんねえとか半端ねえぞ」

「それを言うなら、お主の身体だって、規格外だぞ」

「いやまあ、俺には身体強化魔法あるし」

「いくら魔法を使っても、普通、オーガの一撃をまともに受けて、生きている人間はいないぞ…」

「そうかな?まあいいけどさ」

「よく無いだろうが…」







もう和也には白狼や自分を蔑んだ人々を憎む気持ちはない。

しかし、和也の心はどこか、壊れてしまっていた。



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