~プロローグ~
自分の小説を一瞬でも読もうと思っていただいて、本当にありがとうございます。
筆者は語彙が少なく、文章力もないので、拙い文章になってしまうと思われます。読者の皆様にその辺りをご教授してもらえたら、幸いです。
この物語はご都合主義の塊であり、物語になんの捻りもありませんので、ご了承ください。
それでは、本編をお楽しみください。
太陽が徐々に顔を出し始めている、そんな早朝。
とある都市から数百キロ離れた森の中に、一匹の≪竜≫と一人の少年がいた。
「本当に大丈夫か?」
竜が、その大きな口から発せられた思えないような、不安そうな声で少年に尋ねる。
「大丈夫ですよ。心配しないで下さい」
少年は竜の不安を無くすように、努めて明るく答えた。
「しかし……やはり不安だな」
「向こうには『ミキさん』もいますし、万が一にも危ないことは起きませんよ」
その体躯とは正反対の、竜の心配癖に苦笑する少年。
「……本当に行くのか?」
「はい。『イングリッド』の皆には色々と迷惑をかけてしまいましたけど」
少年は申し訳なさそうに顔を伏せた。
「そんなこと、私達は全く気にしていない。元々、私達にお前を止める権利などないしな」
そう言って、竜は頭を下げ、少年の顔を上げさせた。
「私もわがままを言うのは止めよう。お前はあの土地に縛られるような器でないことはわかっていた……自分の生きたいように生きろ。……ただし、約束通り、半年に一度こっちに戻らなければ……全員を連れて会いに行くぞ」
「そ、それは、流石に困ります」
「だったら、必ず帰ってこい」
「……はい」
少年は笑顔で頷き、荷物を肩に担ぎ直した。
「皆によろしく言っておいてください」
「ああ。風邪ひくんじゃないぞ」
「はい!」
少年は竜に背を向けて走り出し、途中、一度だけ振り返り、手を振った。
それに対して、竜は身体を起こし、空に向かって咆哮した。
天と大地を震わせたその咆哮は、竜から少年への激励だ。
「…………」
竜が前を向いた時には、すでに少年の姿はなかった。
(行ったか。……それにしても、この私が一人の人間のためにここまでするとはな)
≪最強≫と言われている竜が、である。
しかも、今すぐにでも彼を引き留めようとさえ、思っている。
(未練、か……まるで人間のようだ)
そんなことを考えている自分を自嘲気味に笑い、翼を大きくはためかせた。
(だが……悪くない)
そして、巨大な一匹の竜は、広大な大空の中に消えたのだった。