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パンドラ魔法学校と黄昏の賢者達  作者: 東奔西走
第二章:日常編
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第七話:フォークとシスコンが騒ぐ



双子が私を軽蔑の目で見る。


「ちょっと淋漓、それスッゴク寒いから」「今時そんなばななって」


失礼な。

昨日、この学校の廊下の肖像画が私に言ったお言葉だぞ!


「だじゃれの話終わり。次行こう次」



私はジャンナの顔とニックの顔を交互に十回位見比べる。


「ジャンナのお兄さん?ニックが?」

「「似てないなー。ていうか、妹いたの?」」


双子は本当に失礼極まりないと思う。


それにしてもニックとジャンナが兄妹?


「・・・・・うん似てない。」


私も失礼極まりなかった。

だがニックは憮然とした様子。


「馬鹿が、俺はその子の兄じゃない」

「そうそう!こんな可愛い妹、こんな仏頂面に渡して堪るか」


ニックの後ろから、ジャンナと同じ金掛かった銀色の髪に、同じ青い目を持った好青年が出て来た。胸には赤いペンダント。

ナルホド、こちらがジャンナの兄か。


「皆さん初めまして。ジャンナの兄、キリル・ヴァレンニコフと申します。

お願いだからジャンナにお手を出さぬように」


おかしいな。私も女なのに、何故私の目を見て言う。


「ジャンナ!入学おめでとう!兄さん嬉しいぞーっ!」

「ありがとう兄さん。私ね早速淋漓と仲良くなったのよ!」


好青年はジャンナのほっぺたをフニフニさせながら満面の笑みを見せる。

ジャンナはほっぺたをフニフニされながらもニッコリ笑って私を見た。


「そっかー、ジャンナに可愛い友達が出来て兄さん嬉しいぞー。

ま、ジャンナの方が可愛いけどなー!」


失礼な奴である。


ジャンナを抜くヘラヘラしたキリルの顔が不愉快極まりない。


目の前でイチャこきだしだ二人に、私は顔をしかめ辺りを見回した。

そんな二人を見向きもしないニックと、既につまらなくなって退散した双子。


なんとも変わった人達だが、なんとかやっていけるだろう・・・・・。


ふぅ、と息を吐きながら天井を仰ぎ見る。


「あ・・・・・綺麗・・・・・・」


思わず仰ぎ見た天井に私は息を呑んだ。

昨日の校長先生の部屋と同様、満天の星である。


キラキラと瞬く白い星に私はしばし、昨日の校長先生の話を思い出していた。


「大丈夫。何とかやって行けるさ」


小声でそう呟き私は大きく深呼吸した。

あまりいい空気では無かったが、少し気分がよくなった。


目線を元に戻すと、ニックがテーブルに並べられた夕食を口に運んでいた。


後ろを向き壇上を見たが、既にクラス分けは終っている。


私はニックの隣を陣取り、目の前のフルーツタワーに手を伸ばす。


「お、おめぇ、昨日の宿泊女じゃねぇーか!」


フォークが喋りやがった。

しかも昨日廊下で喧嘩を売ってきた奴だ。


「君さちょっとうるさいよ」


冷たく新鮮なモモを一切れ口に入れて、ふと顔を上げた。

後ろを向く。


「ジャンナ、入学祝いは何がいい?何でも兄さんに言ってごらん。」

「入学祝いなんて要らないわ、兄さん!」


後ろを向くとまだこんな対話をしていた。


「なるほど、これがシスコンか。」



シスターコンプレックス。



◆◆◆



夕食が終わった後は各クラスの寮へ行った。

アレクサンダー寮の前にそびえる創設者の顔が、相変わらず誰かに似ている気がしたが思い出せなかった。


部屋は二人部屋でジャンナと私がペアになった。


偶然にしては出来すぎではないか?と疑ったのは私だけらしい。


ジャンナはフンフン鼻歌を歌いながら、シャワー室に向かった。


二人で使うには申し分ない広さと、フカフカのベッド。

タンスや机等の必要最低限の物は用意されている。


「中々いいかも。」


早速シャワーを浴びているジャンナが居ない部屋で、一人呟いてみる。


暫くベッドの弾力を楽しんだ後、ニックに貰った私の荷物の存在を思い出した。

ポケットからニックから貰ったガラス玉を出し、躊躇う事なく地面に叩きつける。


ぼぉわわわぁん、とマヌケな音を発しながら私の荷物が姿を表した。

箒に何本もの魔法瓶、鍋やペンタクル模様の鏡に、魔本(魔法界で使う本や教科書の事)等魔法に使う道具がズラリだ。


「何に使うんだか・・・・・・・。」


試しに自分の腕程の長さがある杖を適当に一振りしてみる。

すると・・・・・・、


ぼんっ!

「ケッケッケ」


白い煙のオバケが嘲笑いに来た。


杖をへし折ってやろうかと思った。





こんにちは♪ 


次回は多分、学校設定を更新する予定です! 

学校設定は情報が増え次第更新したいと思っています。 


さて、ようやく入学です!

淋漓ちゃんはどうなるんでしょうか。

私にもわかりません。笑

冗談です。



この小説はシリーズ化を考えているので、今後ともよろしくお願いします!




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