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パンドラ魔法学校と黄昏の賢者達  作者: 東奔西走
第四章:夏休み編
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第二十五話:不法侵入は犯罪です。



所変わってラロの部屋。


夏にも関わらず、ふわふわの羊の毛だという絨毯の上でニックとキリルが正座をしている。

その前で仁王立ちをして冷めた瞳を二人に降り注いでいるラロ。怖い。


私とジャンナが後ろで静かに見守っていると、ついにラロの口が開いた。


「で」


キリルが若干ビク、となりながら息を飲む。


「なんで俺の家にいるんですか?」

「本当に悪かった。言い訳をするつもりは毛頭ないが、」


すかさず手を上げニックが謝るが、その横からキリルが口を挟む。


「いや、俺はジャンナが心配で・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」


ニック諸共ラロにも沈黙が及んだ。

こんな胃がイガイガする状況の時、一発さむーいオヤジギャグでもかませば少しは場が和むだろうか?


「もうっ!兄さん!私は心配しなくても平気って言ったでしょ!?」


イルカはいるか、ステキなステッキ、インダス文明でいんだす、と思い浮かべていたら、ジャンナが沈黙を破ってくれた。


「心配症にもほどがあるわ!」


怒った顔も可愛いジャンナにキリルはごめんごめんと言いながらも顔をほこばらせている。


「一緒に来たかったんなら、そう言えばよかったのに」


ジャンナとキリルを見て呟いた私に、隣のニックがふっと顔を和らげた。


「あいつにとってジャンナは大切な存在なんだ」

「?」

「ジャンナが楽しみにしている事に、下手に首突っ込めないだろ」


笑うニックにすかさず横からラロの冷たい言葉が。


「だからって人の家にはいりませんけどね。普通は」


この世界に普通もへったくりもないと、言いたいところだが。

そこは置いておいて、視線をジャンナとキリルに向ける。


普段は鬱陶しくさえ感じるキリルだが、見ているとやっぱり兄弟なんだなと感じた。

ちょっとした仕草や表情が似ている。


「まぁ、いつものメンツが揃ったことだしさ」


私がラロに言うと、ラロがいきなり横で笑いだした。


「あっはははははは!」

「何いきなり笑って・・・」

「いや、淋漓の言うとおりだなーって思っただけだよ。凄いよ皆。夏季休暇にまで集まっちゃうだもんなー」


楽しそうに笑うラロに私も釣られて吹き出す。


「こりゃ、これから腐れ縁になっていくな」


ラロの発言に私は、そんな未来もありかもしれない、そう思った。


「それはそれでいいかもしれない・・・・」


小さく呟いた私にラロが耳に手をかけ、


「ん?淋漓なんつった?」


ハッとしてラロを見る。

不思議そうな顏をしているラロ。


「何でもないよ」


そんな彼に私は首を横に降り、手を上げ伸びをした。


「よし!今夜は遊ぶぞーっ!」


私の号令に周りに集まるジャンナ、ラロ、ニック、キリル。


にひひーと、楽しそうなラロの手には無数の魔法で出来たらしい遊び道具。


一口かじる毎に服が変わる棒キャンディ、誰でも歌が上手になる薬、実際に動いてくれるチェスの駒。何でもこのチェス駒、ゲーム中相手の駒と口喧嘩をおっ始めるらしい。


とにもかくにも次から次へと色々なおもちゃが出てくるので、全然退屈しなかった。


既に日付が変わり、月が空高く上がっているにも関わらず、私達は部屋の真ん中に皆で固まり、魔法版人生ゲームをしていた。


大袈裟に、天井から落ちてきたサイコロに目をやり、杖の先で駒を動かし・・・


「五・・・・・」

「淋漓、えー、何々?あなたは近いうち思いも寄らぬ魔法使いに出会うでしょう。ラッキーパーソンは野いちご」


ラロの声に耳を傾ける御一行。

私はそれなりに真剣に聞いていた。なんせ魔法界のゲームである。この世界はいつもマジなので、あまり邪険には出来ない。


「思いも寄らぬ魔法使い?」


私は何も心当たりがないので首をかしげる。

そうやっているうちにも、周りはゲームを進めてしまった。


こうしてだんだん夜明けが近づいた頃にやっとみんなは眠くなり始めた。


私は気づかぬ内に眠っていた。





お久しぶりです。

更新恐ろしく遅くなりすみません。

受験を控えているからか忙しく、中々更新できませんでした。

書く気は満々ですので、これからもよろしくお願いします。

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