逃走日記
視点が魅白になります
白とはぐれてしまった。相変わらず薄気味悪いところだ。廊下は薄暗いし人の気配がまるでない。いや、時々足音が聞こえるから人は居るんだろう。少なくともこの空間には私と過去の私、白、医者の4人が居るはず。そして、今も足音が聞こえる。私は物陰に身を隠した。
「美白、何処へ行ってしまったんだ」
『あれは・・・あの時の医者。なんで、私の名前を・・・』
ネームプレートが見えた。どうやらあの医者は白江と言うらしい。しかし、どうして私を探してるんの?
わからない事を考えてもしょうがない、早く私を見つけないと。男が過ぎ去ったのを見て私は走り出した。しかし、これがいけなかった。
「誰かいるのか!?」と男がきづいてしまったのだ。私は急いで逃げだした。すごい勢いで追ってくるのがわかる。
『白、助けて・・・』
その瞬間、私はドアから伸びてきた腕に掴まれて部屋に引きずり込まれた。
「!?」
「僕だ、白だ!」
「もが!」
「驚かしてごめん。あいつか、例の医者だね?」
「うん、さっき見つかりそうになって。」
今でも男はキョロキョロとあたりを見回している。そして、どこかにいってしまった。
「とりあえず、助かったね。あぁ、この世界について少しわかったことがあるよ」
「なに?」と私は聞いた。
「とりあえず、この世界には此処以外の場所が存在しない、つまり外がないんだ。窓も玄関も非常口ですらしまっていた。つまり、過去の美白はこの病院のどこかに居るはずなんだ。」
「つまり、外にがない、完全にずれた空間ということね」
「まぁ、そうなるね。どうしてそうなったのかはわからないけど」
「とりあえず、現状打破のために私をみつけましょう」