最終日記
「と、書かれた日記を幾つも見つけたんだが、君はこのことどう思う?」
「どう、と言われましても、子供の考えた空想としか思えません」
「成る程、ごもっとも、でも、もしもこれが本当のことだとしたら?そんなことは考えないかい?」
「まさか、だって、その九十九って子も美白って子もこの病院にはいないじゃないですか」
「そうだなぁ、じゃあこの日記の持ち主って誰なんだろうなぁ」
「さぁ?それを探すように頼まれたんじゃないですか?ね、探偵さん」
「確かにそのとおりだ、では探すとしようか、この日記の持ち主を・・・」
数年前、この病室から少年少女各一人が消えたらしいのだ。しかし、抜け出した形跡も防犯カメラの記録にも残っていなかった。さて、本当にこの日記のとおりに異世界に行ったのだろうか?では、何故日記だけこの病室で見つかった?
「知りたいかい?」
不意に後ろから声をかけられて、俺は振返った。そこには黒いローブを着たいかにも怪しい青年が立っていた。
「知りたい?その二人がどうなったか、また、その医者がどうなったか」
「教えてくれ!?」
「探偵さん?誰と話してるんですか?」と警察の青年が言う。
「誰って、目の前の・・・」
「あぁ、無駄です。彼には私の姿は見えていません。その日記を持ってるあなたには見えますが」
「そんなことはどうでもいい、教えてくれ。この日記を書いた人物、そして、消えた少年少女、そして、その医者のことも」
「分かりました。では、簡単に、二人の少年少女は医者に殺され死亡しました。また、医者は儀式を起こしたのですが、どうやら失敗に終わって異次元を彷徨ってるようです、いずれ輪廻を回ってまた儀式のために少女を狙うでしょうね、いったい何時になったら気づくのやら。つまり、全滅です。えぇ、バットエンドってやつですよ。ね、簡単だったでしょ?」
「それを、信じろと?」
「それはご自由に、信じるも信じないも貴方しだいです。私にはそれを証明する義務はありませんので」
「もう一つ聞いていいか?」
「はい、どうぞ」
「お前は誰だ?」
「そうですね、名前はいくつかありますが、今はこう名乗っておきましょう・・・作者です」
「・・・」
「それでは、一応のエンドを迎えたのでこのお話は終わりです。もし、機会があれば次の世界でお会いしましょう。いつか抜け出せるといいですね無限ループから」
そういって青年は消えていった。
はい、いかがでしたか?え?打ち切りっぽい?まぁ、それは捕らえ方しだいです。
そうですね、もし、次の世界が見えたのなら私は筆を走らせるでしょう。さて、一応のエンドを迎えたのでこのお話は此処で終わりです。連載としても終わりです。もしも、次回があるのなら何の日記になるんでしょうね・・・・それではありがとうございました。