ギルド【エレメント】ガチャを回す
『エレメント』は三人のプレイヤーで成り立っていた。
一部プレイヤーから金銀銅と呼ばれている三人は、一様にして高校生であった。
「どうしよう、もしかしなくても狙われてる……?」
銀のボブはトト。
焦ってゴールドを広げると、ガチャを回す。
彼女の職業『選ばれし者』は、このゲームの五パーセント程が選ばれるありふれた職業である。
概要は、五分に一度ガチャを回す権利が得られて、三百ゴールドで回すことができるというものだ。
この職業はハズレ職業と言われていた。その理由は、当たりの確率が驚くほど低いからだ。
その不遇職を意に介さない、頼もしい仲間がいる。
「大丈夫だ、この私が付いている! 闇の魔法から逃れ、我らは優勝をもぎ取るのだ!」
眼帯をした金髪のサイドテールはエレン。
このゲーム屈指の中二病プレイヤーだ。トトはエレンの明るい性格に支えられていた。
エレンは右手に包帯を巻いている。それは出血を治すだけの、攻略には関係のないアイテムだった。
そんなアイテムも彼女にかかればそれは闇を封じる魔の包帯となる。エレンの職業は『魔道士』だ。
「ね、ねぇやめようよ……これ以上回してもお金が減るだけだよ」
二人とは対象的に、冷や汗を掻く茶髪の男はコロンという。
腰の袋にガチャで抽選したアイテムを拾って入れていく。袋の中はインベントリに繋がっているため、無限の容量がある。
空からアイテムが振ってくる光景に、辺りのプレイヤーは無視している。
たまに『エレメントじゃないか!?』という声が聞こえると、三人はすぐに逃げ出す。
彼らは生産職のコミュニティで有名だ。
それはアイテムの生成数や、獲得種類数では上位に位置しているため。
また、新アイテムの生産、新たな属性の追加や異質な戦い方で話題を呼んでいたりしていた。
しかしコミュニティは真実を知らない。
彼ら三人の職業が、一般的な職業だけで形成されていることを。
また彼女らは気づいていなかった。
『選ばれし者』の力には、運以上に必要なステータスがあることを。




