職業【遊び人】仲間と共に腕を磨く
「作戦会議だ」
アントは銃を取り出した。
「おぉ、なんだかゲームっぽいね!!」
「逆にこれまでどうやって第三階層まで来たんだ?」
「「……」」
ついレッカと目を合わせてしまった。
カリナはこれまでの戦闘を思い出す。しかしどの戦闘も安定した戦い方とは言えなかった。
第一階層での戦いは「粘性之王」を手に入れたので戦うことなく勝利したし、第二階層ではフラムのアドバイスと数の暴力で勝った。
しかし第三階層でどちらの手段も取れない。よくここまで勝ってこれたなと勝手に感慨深くなるカリナであった。
「まぁいい。とりあえずの目標は第三階層のボス討伐だ」
「大体の作戦は魔法屋で話したことだよね!」
「じゃあ三人で魔法で戦うの?」
「そうだな、とは言っても俺がメインアタッカーになるから、二人は俺よりも後ろで隙を狙うんだ」
「僕達は遊撃ってことだね」
アントは銃をレッカに渡す。するとレッカはその銃に向けてスキルを使った。
すると、僕らの手元にも銃が現れた。これが彼女のドッペルゲンガーのスキルなのだろう。
「便利なスキルだね!」
「デメリットはあるのか?」
「増やした数だけ能力が下がるんだよね、今回の場合は三つに増やしてるから攻撃力が三分の一になる」
「増やす上限はあるのか?」
「三倍が最大だね」
それを聞くと考え込むように眉を潜ませる。
アントは思い出したように目を見開くと、口角を上げた。
「カリナはモンスターを召喚できるんだったな。何種類召喚できるんだ?」
「今は三種類だね、全員で十五匹まで呼べるよ」
「なら、レッカの『複製』で四十五匹まで増やせるな?」
「いい考えだね、でもそれだけじゃないよ!」
レッカがニヤニヤと笑う。
「私にはもう一つ『模倣』という相手の技が使える! これでカリナのスキルを『模倣』して更に五匹、それを『複製』して十五匹!!」
「計六十匹呼べるってこと……!?」
「遊び人の『裏切り者』をさらに『模倣』することはできないのか」
「それはできないね。一度に『模倣』できる技は一つだけなんだ」
「なら呼び出すモンスターは鹿だな」
「ちょっと弱いけど、それでもこんなに数がいたら少しは役立つね!」
「淡光バンビは魔法が使えるだろう? それで十分だ」
心強い提案に一同の気持ちが高ぶるのが分かる。カリナも久々に心を踊らせていた。
アントは腰に銃をしまう。まるで作戦会議は終了だと言わんばかりだ。
「早速倒しに行こ!」
「馬鹿言え、相手は虫だぞ? 飛んでる可能性がある。それに相手が一匹とも限らないしな」
「そっか、射撃練習をしなきゃだね! レッカはFPSやったことある?」
「そんなのやったことないよ、でもやれる気がする!」
レッカが素早く後ろに下がったと思うと、間髪入れずに銃の引き金を引いた。
銃弾はアントをかすめる。
「筋がいい、俺の腕をかすったぞ」
「かすっただけじゃ駄目だね! 倒れても知らないから!」
「望むところだ、俺は逃げも隠れもしないぞ」
「僕だって負けてられないよ!」
カリナも後ろへと下がると銃の引き金を引いた。




