職業【銃使い】作戦を立てる
「いらっしゃい!」
「あのNPC怖くない……?」
「不気味の谷ってやつだよね」
「どこのゲームでもある、気にすることは無い」
三人は魔法屋に来ていた。魔法屋では巻物や杖や瓶といった不思議な小道具が飾られていた。
目的地に着くまでに【遊び人】の特徴を二人に話すと、アントは興味深そうに聞いていた。
「第三階層のボスはこれまでの傾向でいくと虫族だろう。となれば火属性の攻撃が効果的だ」
「それって、魔法だよね? 僕、魔法使ったことがないんだけど大丈夫?」
「そこは私に任せてよ! だからアントも遠慮なく作戦立てちゃって!」
カリナは疑問に思ったが、長いものには巻かれろの精神で話を聞き入っていた。
しかし、アントはそれを制して丁寧に話し出す。
「一緒に戦うんだろ、そんないい加減じゃ駄目だ」
「そ、そう?」
「いいか遊び人、俺の持つ銃は杖という扱いなんだ。要はこれは魔法を放つための武器だ」
「銃が杖? どういうこと?」
「銃弾が属性を持っている、魔法を唱えながらトリガーを引けば、その魔法が銃口から放たれる」
「私が作った特別な銃だからね! 普通の銃は物理攻撃扱いだけど、この銃から出るのは魔法でできた弾なんだよ!」
要は剣にも魔法を放つための魔剣があるように、この銃も魔法を放つための魔銃ということなのだろうとカリナは納得した。
「そして銃には銃弾を補充するためのマガジンというのがある。分かるか?」
「リロードするやつだよね?」
「そうだ、俺の職業である【銃使い】はそのマガジンにMPを貯めることができる。これによってMPの少ない二人でも魔法を連発することができるわけだ」
アントは曲線を描いた黒いものを取り出す。これがどうやらマガジンだそうだ。
しかし話を聞いている限り、カリナも銃を使うということになっているがそれで良いのかと頭を捻る。
「でも、僕銃なんて持ってないし装備できないよ?」
「それは、レッカが作った銃を【複製】するんだ」
「私の能力で増やした銃を使えばカリナも装備できるもんね!」
「な、なるほど……」
アントはカリナが思う二手三手先を考えて作戦をすでに立てていたのだ。
それに素直に称賛するが、アントは気にしない様子だった。
「【火球】の魔法は持ってるか?」
「持ってないね」
「私も!」
彼は二つの巻物を手に取ると、そそくさと店を出ていった。
「ど、泥棒だよ!」
「勝手に手持ちから金が減ってる。ここはゲームの中だぞ?」
「し、知らなかったんだもん」
カリナは頬を赤く染めた。
アントは巻物を二人に渡す。カリナが巻物を受け取った瞬間、巻物は光のエフェクトと共に消える。
魔法取得
【火球】
「くれるの?」
「あぁ、詫びだ」
「安く見られたもんだなー!」
レッカはそう言うと巻物でアントの銃を叩いた。カリナの巻物は手に取った瞬間に消えたのに、レッカのはどうして消えないのだろうと疑問を持つ。
「ご所望は?」
「第三階層のボス攻略でしょ! 私とカリナの二人分、ちゃんと働いてよね?」
「善処する、付いてこい」
二人はアントに着いて行くように、第二階層へと向かった。




