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職業【先導者】空を飛ぶ

「うおぉぉぉ!! すごいすごい! すごいよフラム!!」

「だろ!? でもこれ、意外に操作難しいんだぜ」

「私も飛べるようになるかな?」

「あたりめぇだろ!!」


僕を腹に抱えたフラムは、僕の体重をいとも容易く持ち上げると空を飛んだ。

その緋色の羽から放たれる風圧はとてつもなく、驚いて目を瞑ってしまった。目を開けたときには、すでに上空。第二階層の全容が一度に見て取れた。

第二階層は真ん中に街があり、北には大きな岩の大地、東西の二箇所に森が広がっていた。それぞれ「フェオレの森」と「フェラテの森」だ。カフェインが取りたくなる名前だ。


「すごいね! 感動だよ!」

「私は空を飛びながら戦うからな、これからは機動力を上げる練習をしないと」

「おぉ、かっこいいね! 翼で翻弄する戦士!」

「戦士ってほどでも……いや、戦士! いいなそれ!」


フラムはゆっくりと地面へと降り立つ。僕は勢いに負けそのまま地面へと顔を擦り付けた。


「うぐっ……」



スキル取得

【ハイジャンプ】



一分間自由に浮遊することができるスキルらしい。便利なスキルだと感心していると、画面を眺めている後ろからフラムが覗き込んできた。


「カリナは魔法を覚えないのか?」

「まほ……そうだ魔法! 忘れてたよ」

「全く、せっかくのファンタジーなんだから、ファンタジーを遊びつくそうぜ!?」


フラムは「燃えろ」と呟くと、指先に火球が生まれた。

僕はゲームを始めてからずっとスキル取得に専念しており、魔法について頭から抜けていた。


「かっこいいね! それ、どうやって覚えたの?」

「どうやってって、『火球(かきゅう)』くらいならレベル上げで覚えられるだろ?」

「そうなんだ! 僕、レベルが上がっても何も起きないみたいで……」

「そういえばそうだったな、カリナは魔法を覚えたいか?」

「そりゃ当然!」


フラムはニヤニヤと笑う。何かと首をかしげていると、突然手元に巻物を生み出してこちらに投げてきた。

それを受け取ると、すぐにその巻物は消える。

フラムはいつも一人で話を進める、とカリナはフラムを軽く睨みつけたが、フラムは何も知らない様子で笑顔を向けた。



魔法取得

【爆発】



「それは魔法屋で買って余ったやつなんだ。買ったのにレベルアップで覚えたんだ」

「ありがとう! それにしても、爆発って……」

「無属性で威力の高い攻撃だ! まぁMP使うからカリナには向いてないかもな」


どうやらこのゲームでの魔法はMPを消費して打つことができるらしい。MPは一律で一分に1回復し、上限値でストップするらしい。今の僕の上限値は20だ。

爆発の必要MPは20なのでこれは大切に使わなければならない。MPを早く回復させる方法はたくさんあるようなので、使いようによっては魔法主体で戦うのも楽しいだろう。

しかしそう考えると、スキルは魔法と違って何も消費しなくても使えるのだ。今の僕は何も消費せずにスライムとイノシシを五体生み出せる上に空高くまで飛べるのだ。

これは確かにスキルがプレイヤーを左右させるといっても過言ではない。他のプレイヤーには、この職業のことを教えないでおこうと思った瞬間だった。


「そういえば、カリナは何してたんだ? たまたまあったから成り行きで遊んでたけど、邪魔してたらごめんな」

「ん? いいや、全然大丈夫! この階層に来たばっかで、新しいスキルが取得できないか試行錯誤してたんだ!」

「そうか! なら良かった。それならさ、ちゃっちゃと階層ボス倒して次の階層行っちゃわねぇか?」

「んー、まだ第二階層について詳しくないからな。もっと探索してからのほうが……」

「まぁまぁカリナさんよぉ」


肩に手を回すと、フラムは悪そうな顔をして話しかけてくる。

魔族だから本当に悪い顔に見える。これは世界滅亡を願っていてもおかしくない顔だ。


「確かにフィールド探索はMMORPGやオープンワールドにおいて重要だと言えよう! しかし、そもそも自分に『(パワー)』がなきゃだめだと思わないかい!!」

「ぱ、『(パワー)』……」

「カリナは今剣を振り回すだけの戦い方しか知らない! しかし、階層ボスを倒し数多の技や魔法、スキルを習得することで初めてフィールド探索が有意義に進められる! そうは思わないかい?」

「た、確かに……」

「私はまず第四階層の敵まで倒すことをおすすめしよう! そのために私は助力を惜しまない! そのためにはまずは町にいこう!!」


フラムは呵々大笑(かかたいしょう)して堂々と町の方へと歩いていく。

いつにもましてマイペースだと思う反面、これでこそ僕の友人だと笑みが零れるカリナであった。


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