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精霊界で恐れられている双子の私たちは人間界に出ることにした。  作者: シエルノクス


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2/2

王子との出会い

王子


「あの...聞きたいことがあるんですけど...」

宿屋の女の子が言った。

「おふたりは精霊なのですか?」

「はい。大精霊のミオル・ガリアスとラオル・ガリアスです。」

すると周りの人たちがザワザワしだして、そのうち何人か「大精霊様!私たちの命を救っていただき誠にありがとうございます!」と叫び出した。

人間にとって大精霊ってどんなものなのかと言ったらみんな「人間は精霊殺しだから精霊が大嫌いだよ」「人間にとっては邪神さ」とか言ってたからイメージと大違い...

「皆さん落ち着いてくださいですわ〜」

ラオルも結構焦ってる。

みんなが落ち着いたあと、なんだか本で見た人間で黒髪の王子みたいな人が来た。

「グライドベアーが倒されたのはここですか?」

「はい!」

ラオルが元気よく返事をすると、王子っぽい人が目を見開いて、

「だ、大精霊様...?」

と言ってきた。「はい」と答えると、王子が、「申し遅れました。大精霊様。私ザムベル王国第2王子のアルフ・マルアと申します。もし宜しければ王宮に1度来て貰えないでしょうか。」

唐突過ぎてびっくりしてしまった。

そんなに人間界では大精霊ってすごいの?

ただ人間の王宮がどんなものか気になるから私たちはこくりと頷いた。

「では馬車を用意しますので、少々お待ちを」

「ラヤさん!また後で戻ってきますわ!」


私たちはたくさんの人にお見送りをされながら出発した。


「...人間は精霊を嫌っているんじゃないんですか?」

ラオルが恐る恐る聞く。

「そんなことありませんよ!大精霊様はこの世界をお作りした素晴らしい方なのですから!」

「...あれ?聞いてた話とやっぱり違いますわね。お姉様」

「やっぱり人間が国に来なかったからじゃないの?」

すると馬車がガタンと揺れる。

「アルフ様。王宮に到着しました。」


馬車を出て、目の前に広がるのは、綺麗なレンガの地面に、壁が真っ白なお城。本で見たよりも迫力がある。


「お帰りなさいませ。アルフ様!」

向こうから走ってきたのは、茶髪でロングヘアのいかにも清楚な姫様。

「あぁただいま。マーサ。マーサに紹介したい人がいるんだ。大精霊のミオル様とラオル様だ。」

「はじめましてですわ!」「はじめまして」

「まぁ!大精霊様?!はじめまして!私、アルフ様の妻、マーサです。」

マーサさんは天使のように微笑んでいる。

白い壁が光を反射して、まるで中の世界までもが輝いているようだった。

「どうぞ、こちらへ」とアルフ王子が案内すると、大きな扉が開かれた。中には、王や王妃らしき人々、それに大臣たちがすでに並んで私たちを待っていた。

「よくいらっしゃいました。大精霊様」と王が深く頭を下げた。王の威厳ある声に宮廷の空気がぴんと張り詰める。

「わ、私たち、突然お呼ばれしてしまって……」

ラオルが戸惑い気味に言うと、王妃がにこやかに微笑んだ。

「どうか緊張なさらないでください。あなた方がこの地に実在されて、しかも助けてくださったと聞いたとき、どれほど喜んだか…。精霊様に祈りを捧げてきた者も多いのですよ。」

「ガリアス王国では...除け者なのに...」

私が正直に呟くと、側にいたマーサさんが首を振った。

「たしかに、昔は争いがあったと伝え聞いています。でも今は、精霊の存在を畏れ敬う者がほとんどです。お二人が来てくださることは王国にとってたいへんな名誉なのです。」


ラオルがそっと私の袖をつかむ。「お姉様、本当に歓迎してもらっているみたいですわ…!」

その時、宮廷の奥から小さな子供が駆けてきた。赤髪の小さな女の子が私たちの前でぴたりと止まる。

「大精霊さまたち、お話してもいいですか?」

「ええ、もちろんよ」と私は優しくうなずいた。

「ねえ、精霊の国ってどんなところ?どうやったら行けるの?」

子供らしい無邪気な質問に王妃を始め大人たちが少しあわてていたが、私は微笑んだ。

「精霊の国は……この世界とはちょっと違った色がたくさんな場所なの。優しい風や歌声がいっぱい流れていて、大きな木や美しい水晶の湖があるの。」

「わぁ……!」

「ラオル様もいっしょに住んでいるの?」と女の子が目を輝かせて問う。

ラオルはちょっと照れながら

「はい。ミオルお姉様と、たまにケンカもしちゃうけど、仲良く暮らしていますわ!」と言って笑った。


その時、城の外から急ぎ足の騎士が駆け込んできて、アルフ王子に耳打ちした。

「……大変です。西の森で不思議な光が観測されたとの報告が……」

その場の空気が一変する。王が眉をひそめて「ミオル様、ラオル様……ご面倒ですが、この件についてもご助力いただけますでしょうか」と頭を下げる。

ラオルが私を見る。「どうする、お姉様?」

「もちろん。困ったときこそ、精霊の力を役立てたいもの。ラオル、行きましょう!」

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