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魔女の私と聖女と呼ばれる妹〜隣国の王子様は魔女の方がお好きみたいです!?〜  作者: 海空里和


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15.お店も順調です

「エミリー!」

「おじょ…、サンブカ!」


 ロズイエの城下町に構える私の新たなお店。


 お洒落なカフェかと見間違うほどセンスの良い外観で、びっくりしてしまった。


 広さも、オスタシスのお店より倍はある。


 城下の視察という名目でロジャーが手配をしてくれて、私は今日お店に来ることが出来た。


 エミリーにやっと再会出来て、私たちは抱き合った。


「どう? お店は順調?」

「はい。ロズイエの使者の方には本当に良くしていただいて……」


 エミリーは身体を離して、ロジャーの方をちらりと見た。


「あ、安心して! ロジャーは全部知っているから」

「そうですか。ロジャー様には何から何まで手配して頂いて感謝しておりましたが、お嬢様までお世話になりまして……」


 エミリーは私の説明を聞くと、安心したように微笑み、深々とロジャーに頭を下げた。


「いえ。こちらもエルダー様にこの国に来ていただいて感謝しております」


 エミリーの礼を受けて、ロジャーも胸に手を置いて、頭を下げた。

 

 二人の挨拶が済んだ所で、カランカラン、と店の鐘が鳴り響いた。


「エミリーさん、こんにちは。この間のハーブティーあるかな?」


 若い夫婦連れが連れ立ってやって来た。


「はい、ありますよ。胃腸ケアのブレンドですね」

「それを飲んでから、胃腸の調子が良くてね」

「私はまだ改善されないのですが、夫が良くなっているみたいなので、期待しているんです」


 エミリーとやり取りをしながら、夫婦はお店のカウンターに座った。


 カウンセリング販売が出来るように、前のお店でもそんな造りだった。


 その意図を汲んで、ロズイエのお店でもそうしてくれたことが嬉しい。……カウンターは前のお店に比べて広々としているけど。


 本当にカフェみたい。


 エミリーと夫婦のやり取りを見ながらお店を見渡していると、ふと奥様の目の下に隈が出来ているのが目に入った。


「あの、良いですか? 最近、眠れなかったりしませんか?」

「はい……! そうです」


 やっぱり。


 胃腸の不調と言っても、原因が様々だ。


 このブレンドが効いているご主人は純粋に胃腸がやられているのだろう。


 話を聞くと、暑さで冷たい物ばかり取っていたらしい。


「消化器系は心の状態との関係が密接でもあります。奥様の場合、心の不安による睡眠不足が原因ではないかと……」

「まあ………!」


 私の説明に、奥様は凄い勢いで頷いている。どうやら心当たりがあるらしい。


「大切なのは精神状態を安定させること、それとお腹周りを温めると良いですね」


 奥様は真剣に頷きながら、私の話を聞いてくれていた。


 オスタシスでも、昔は皆、こんな風に頼ってくれていた。


 その懐かしい感覚に感動しながらも、私は説明を続けた。


「寝付きにはこのハーブを入れると良いので、胃腸ケアと合わせてオリジナルのブレンドを作りましょうか?」

「良いんですか?!」


 奥様の顔がぱっと明るくなり、私も嬉しくなる。


 その後、奥様専用のブレンドを完成させると、ご夫婦は一ヶ月分をたっぷり購入して笑顔で帰って行った。


「お客さんの笑顔を見るなんて久しぶり!」


 目を輝かせてエミリーの方を見ると、彼女も嬉しそうに微笑んだ。


 それからは何人かお店を訪れ、私はカウンセリング、エミリーは接客と、かつてオスタシスで賑わっていたかのような忙しさを過ごした。


「エルダー様、流石ですね。お疲れ様です」


 お客さんが途切れ、一息ついた私たちにロジャーがいつの間にか飲み物を用意して差し出してくれた。


「ありがとう。やっぱり、カウンセリングは楽しいわね!!」

「でも、お嬢様がいないときはどうするんです?」


 エミリーの言葉に、どうしよう、と考え込んでしまった。毎日お店に来るわけにも行かないだろうし。


「カウンセリングをやる曜日を決めたらどうですか? 常連さんの決まった物でしたら王城の調合室で作ってくだされば私が届けますし」

「え?! でもお城のハーブを使うわけには……」

「私が全て手配している物なので安心してください。エルダー様は私から仕入れているということにしていただいて……」


 ロジャーの適切な提案に関心しながらも、彼に甘えることにした。


「じゃあ、エミリーは普段は定番のブレンドを販売して、決まった曜日には私がカウンセリングをする、常連さんの専用ブレンドは王城で作ってロジャーに運んでもらう、決まりね!」


 お店も好調なスタートで、この国で何とかやっていけそう。


 ホッと安心した所で、思ってもみない来客が来た。


 カラン、カラン


「いらっしゃいませ……」


 そう言って目を向けた入口の人物を見て、私は固まってしまった。


「サンブカ! 様子を見に来るのが遅くなってすまない!」


 その場に立っていたのはオリヴァー殿下だからだ。


 『サンブカ』に接する『ロズ』の顔に懐かしさや嬉しさが湧きながらも、内心私の心臓はドキドキだった。

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