2話
「とりあえず、今後の俺たちの行動方針を決めていこうと思う。」
天宮の言葉に様々な意見が飛ぶが、誰も元の世界に帰りたがろうとはしない。また、大多数がこの国や人間に協力しようという意見を示している。
「じゃあ、今後はテラリア王国や人間に協力していくことを指針としていく。皆もそれで構わないね?」
皆の意見がまとまり少ししてから国王達が戻ってきた。
「勇者様方、意見はまとまりましたか?」
「はい、僕達はあなた方に協力していこうと思います。」
「おぉ、ありがとうございます。もちろん私共もサポートしますし、衣食住も提供させていただきます。」
そんな和やかなやり取りの後、国王が話を切り出す。
「勇者様方の特殊能力なのですが、口に出さなくてもいいので”ステータス”と唱えてみてください。そこに出てきたものが勇者様方の特殊能力になります、ステータスは通常では他人は見れませんのでこの鑑定石に手を置いていただき確認させてもらいます。」
クラスメイト達が次々に石に手を置きステータスを映し出していく。
ユニークスキルは見たことの無いものばかりなのか国王達はしきりに驚いている。
クラスメイトの中でも群を抜いて優れていたのはクラスカースト最上位の4人。
───────────────────
《天宮 翼》
《スキル》
聖属性魔法LV9
剣術LV7
身体強化LV5
言語理解Lv5
《ユニークスキル》
勇者
・成長速度に大補正
・身体能力に大補正
・攻撃に聖属性を任意で付与可
《称号》
異界より召喚されし者
勇者
───────────────────
───────────────────
《金沢 翔吾》
《スキル》
身体強化LV9
体術LV8
気操作LV5
言語理解Lv5
《ユニークスキル》
拳王
・身体能力に特大補正 身体強化LV9の取得
・武器、攻撃魔法の使用にマイナス補正
・気操作LV5の取得
《称号》
異界より召喚されし者
───────────────────
───────────────────
《永原 真紀》
《スキル》
全属性魔法LV7
魔力操作Lv5
詠唱破棄LV-
言語理解Lv5
《ユニークスキル》
賢者
・魔法の使用に大補正 全属性魔法LV7、詠唱破棄の取得
・魔法使用時の消費魔力効率化
《称号》
異界より召喚されし者
───────────────────
───────────────────
《榊 瑞希》
《スキル》
回復魔法LV8
聖属性魔法LV5
魔力操作Lv5
言語理解Lv5
《ユニークスキル》
聖女
・回復魔法の使用に特大補正 回復魔法LV8の取得
・聖属性魔法の使用に中補正
《称号》
異界より召喚されし者
───────────────────
この4人だけがスキルを4つ持っていて、ユニークスキルも中々強力そうなものばかりだ。
クラスメイト達のスキル確認も滞りなく終わり、国王が口を開いた。
「それでは勇者様方、お部屋をご用意しておりますので本日はお休み下さい。案内致します。」
部屋に案内され、ベッドの上で一度心を落ち着かせて考える。
(とりあえず、現状自分に出来ることの確認をしよう。)
スキルの内容を思い出しつつ魔力というものを探ってみる。
(何かが身体中を巡ってるな…これが魔力ってやつか。魔力操作Lv10のおかげで手足より自由に動かせるな。)
ユニークスキルである魔弾の射手の内容を思い出し、自分の魔力を形成してみる。
(まじで自由自在だな、キャラクターだって作れるじゃん。想像の範囲ならなんでも作れそうだな。)
室内で出来そうなスキルの確認を終わらせ、この国について考える。
(あの国王は何も嘘をついていなさそうだったなぁ、陰キャの観察力が役立ったわ。とりあえず強制隷属とかはなさそうだけど警戒しとかなきゃな。)
ある程度考えがまとまった所で一気に眠気が襲ってきた。どうやら緊張の糸が切れたらしい。
(明日の事は明日考えればいいや〜、おやすみ〜。)
そのまま眠気に身を任せて眠りに落ちた。