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神々の遊戯 〜最下層からの下克上〜  作者: スガシラ
第一章 俺が1000年も、こもった訳
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第10話 戦争へのご案内

 高いところから絶え間なく降り注ぐ水は、下に溜まった水と激しくぶつかり音を立てて水飛沫を上げる。

 透き通るほど綺麗な水の、流れの側で俺は空を眺めていた。


 俺がこの世界に来てから1ヶ月がたった。

 “あの日”のことは忘れることはないだろう。899人の仲間が……俺のせいで犠牲になったんだから。


 この1ヶ月間は後悔の連続だった。みんなの意見を取り入れて、スキルを使って鍛錬をして、ちょっとずつ前に進んできたんだ。

 生活も、食に関してはようやく安定してきた。近々家も作ろうと思ってる。衣服は……もうしばらく毛皮の繋ぎ合わせで我慢してもらおうかな……。

 まぁ俺は神の衣装(黒のスウェット)だけどね。



「なぁ、ダールちゃん、弓の精度がいまいち上がんねーんすよ。明日にでも……お願いしまっす」



 “お手製の弓”を持ったシバザキが話しかけてきた。

 こいつはワイバーンと戦った時に考案した弓を、日々改良している。本人のクラスは“突撃兵”なのに、適性とはわからないもんだ。



「改良の仕方が悪いんじゃないのか?」

「うわぁ、ひっでー。そこをなんとか! 頼む、この通り」



 シバザキは両手を擦り合わせてお願いしてくる。

 もちろん俺の返事は決まっている。



「はは、冗談だよ。明日にでも“弓術指導”をとってみようか」

「うひょー、やったぜ! あざっーす」



 前の俺ならノリの軽そうなシバザキとは絶対一緒にいなかっただろう。

 今はそれが――ちょっと心地いい。



「あ〜っ! ザキシバずるいっ。明日はシエラが格闘術を教わろうとしてたのに!」



 割って入ってきたのはシエラだ。獣人特有の尻尾は毛が逆立っている。

 “魔法兵”なのに近接戦闘を好むのは、獣人の(さが)だけではないんだろうな。



「俺はザキシバじゃねーよ! シバザキ様だ!」

「はいはい、ザ・キ・シ・バ・さ・まっ!」

「また言ったなこのやろう! こうだ、こうしてやる」

「あ、やっ、耳は、耳だけは……」

 


 この2人は仲がいいのか悪いのか。側から見てたらお似合いだと思うんだけどな。



「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。“格闘術”は明後日にでもとろうか」



 今にも顔を引っ掻こうとしていたシエラは「やったぁ!」と満面の笑みを浮かべる。


 俺がこの世界に連れてこられた理由。偶然だったのか、必然だったのか、答えがあるのかさえ分からない。

 だけど俺はこう思ってる。1人じゃ生きられない、弱い人間だから選ばれたんじゃないかって。

 だって神のスキルには1人で戦える力はひとつもないんだから。

 神のスキル(この力)は――みんなのために使うよ。



 『ティン』と頭の中に機械音が響いた。

 “お知らせ”の更新? 支給金ならさっき受け取ったぞ。

 画面を開いて確認してみると、新しく“new”の文字がついていた。

 内容は




        ダールデン様へ


 初心者プロテクトの有効期限が2/1 23:59を持っ

 て消失します。


 戦争の申請・承諾・拒否が可能になりますので

 速やかな世界間(ワールド)転移結晶の作成をお願いします。




 あー、うん、忘れてた。戦争のこと。

 俺が戦争に参加したら、みんなも必然的に参加することになるんだろうな。みんなが死ぬ可能性があるなら、参加しないよ。

 【ヘルプ】を開くと、“この”お知らせに書かれていることを調べた。




      “世界間(ワールド)転移結晶について”


 ・神が最初に生まれた地に作ることができる。


 ・他の階層と行き来することができる。


 ・神のみ、闘技場へ行き来することができる。


 ・その世界に属してないものを、神の意思によっ

  て弾きだすことができる。




        “戦争について”


 ・戦争は“神々の遊戯”において優劣をつける対戦

  方式である。


 ・神と神が、保有する兵士・テイムモンスターを

  テレポートを用いて、闘技場で勝敗を決する。


 ・試合形式はデスマッチまたはフリーバトルのい

  ずれである。


 ・全ての世界は、ビギナーランク・ブロンズラン

  ク・シルバーランク・ゴールドランク・プラチ

  ナランクのいずれかに所属する。


 ・1つの国は1日に09:00〜12:00、13:00〜

  16:00、17:00〜20:00の時間帯から最大3回

  まで行うことができる。




       “戦争の申請について”


 ・【順位】より、同ランク帯の世界に戦争を申し

  込むことができる。


 ・一度申請した世界には72時間、戦争を申し込む

  ことはできない。


 ・同ランク帯であれば申請上限は存在しない。




      “戦争の承認・拒否について”


 ・【お知らせ】より届いた戦争の申請を、72時間

  以内に承認または拒否しなければいけない。


 ・承認した翌日以降の、双方の空いている時間で

  一番早い時間に試合が組まれる。


 ・試合形式は基本的に承認した世界が決めること

  ができる。


 ・拒否した場合は、その世界との間にペナルティ

  1が課せられる。


 ・返信をしなかった場合、その世界との間にペナ

  ルティ3が課せられる。




       “ペナルティについて”


 ・ペナルティ1の状態で戦争を行う場合、相手の世

  界は地形を選ぶことができる。


 ・ペナルティ2の状態で戦争を行う場合、相手の世

  界は地形および試合形式を決めることができる。


 ・ペナルティ3の状態で申請を受けると、その場で

  自動承認される。相手の世界は地形および試合

  形式を決めることができる。




 つまり、拒否し続けることはできないのか……。もし、誰か死んじゃったらどうなるんだ……?

 唾を飲み込み、恐る恐る調べる。




       “死んだ兵士について”


 ・戦争終了後24時間以内であれば蘇生することが

  できる。




 良かったぁ。生き返らせることができるのか。

 胸を撫で下ろすと、俺が最初にこの世界へ現れた場所、大草原へと向かった。その足取りは軽い。

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