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「まずは船内の安全確認をします。その後、あなたを助けます」


 コナーが、俺の目をまっすぐ見て、子供に言い聞かせるように、ゆっくりと言った。


「我々はあなたと戦いたいわけではありません。その銃は、あなたが思っている効果を我々には発揮しませんが、出来れば穏便に進めたいのです。銃を下ろしていただけますか?」


 俺は迷った。


 が、メイの「ピート」と言う声で、しぶしぶ銃を下ろした。


「それじゃあ、確認してきます」


 キャラハンが、そう言って、宇宙船の共用スペースへと消えた。


 俺は胸騒ぎがした。


 何か大事なことを忘れているような…。


 キャラハンをあちらへ行かせてはならなかったような気が…。


 そうだ!!


 俺は思い出した!!


 絶対に見られてはいけないもの!


 ヘンリーの死体だ!


 コナーとキャラハンは、何故かは分からないが、この船のロックを無効化できる。


 ヘンリーの部屋のロックも解除できるに違いない。


 俺はコナーとメイを置いて慌てて、キャラハンの後を追った。


 共用スペースでキャラハンを見つけた。


 キャラハンは俺たちの寝室の側から入ってきたところだった。


 ということは、すなわち…。


「どうだ?」


 俺を追ってきたコナーが、キャラハンに訊いた。


 キャラハンは肩をすくめた。


「安全です。何もありません」


 俺は深く息を吸い、一気に吐いた。


 混乱していた。


「この船をスキャンしたときに、何もないんだから、そりゃあ、異常ありませんよ。これこそ一番、無駄な作業だと思いますけど」


 キャラハンが言った。


 この女は…ヘンリーの死体を見逃したのか?


 確認作業が面倒で、本当はヘンリーの部屋は見ていないのか?


 そして、確認したとウソをついているのか?


 気がつくと俺は、全身にびっしょりと汗をかいていた。


 何か分からないが、嫌な予感が胸を締めつけてくる。


「文句を言うな。あっちも確認しろ」


 コナーが操縦室を指差した。


「はいはい」とキャラハン。


「船長が」


 俺が言った。


「操縦室には、船長のハリソンが居る」


「はあ?」


 キャラハンが首を傾げた。


「何ですか、それ?」


「キャラハン!!」


 コナーが怒鳴った。


「早く確認しろ!」


「はいはい」


 キャラハンが操縦室へと消えた。


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