第7話 空気読めない
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今日から、昼休みに音楽室での練習が始まる!
俺は内心、狂喜乱舞しながら登校し、教室に入った。
「おはよう!中村」
「お、おはよう。なんか変やで、今日。やっぱ予想通り、テンション高いな」
「そんなこと言うなよ」
「そんなにうれしいんか?おk……」
「お前、人生やり直すか?」
「ごめん。す、すまん!」
「三度目はないぜ?」
「お、おう。勘弁してや」
バラされた日には、もうどんな顔を沖田さんに向ければいいのか……
午前の授業を終え、俺は急いで弁当を食べ、音楽室へと向かった。
「失礼します」
「お、一条やんか。えらいはよ来たやん」
「まあ」
「ちょっと聞きたいんやけど、ピアノ、あんた相当上手いな。どこ通ってたん?」
「ヤマファ音楽教室です」
「あれか、J専か?」
「……実はそうなんです」
「そうなんか。ははーん、今日の課題曲も余裕か?早速弾いてみ」
「全然余裕ないですよ。じゃあ、弾かせてもらいます」
俺は演奏を始める。
先生、俺、楽譜見てないけど、そこはつっこまないな……。
弾き終え、俺は椅子を立った。
「一条……いつの間に練習したんや?完璧……やないか!」
「あはは。ちょっと昨日、練習して、はは」
「一条くん⁉︎今、弾いてたん一条くん?」
「そや、沖田。信じられへんかもしれへんけど、確かに今のは一条や」
「……え?」
「あ、沖田さん……ちょっと昨日練習してさ」
「嘘や……なんでもうそんな弾けるん?」
「なんでって言われても……」
「まあ一条やからしゃあない」
「そう、ですよね。では私も弾かせてもらいます」
「ん。弾いてみ」
俺、なんかやらかしたか?
すごい睨まれたけど?
もしかして……沖田さんのプライド、傷つけてしまったとか?
沖田さんの演奏も結構すごいぞ。
昨日の今日でもう、最後までなんとか弾くことができている。
まあ、楽譜は見ているが。
「すいません、先生。遅れました」
「松木、やっと来たな。ちょうど沖田の演奏が終わった時やから、次はよ弾き」
「はい」
松木さんはまあそこそこかな?
もともと校歌がオーディションの課題曲だったから、そこそこ弾けてる。
「3人ともえらい高いレベルにいってもうてるな。家なんかで弾くのはもう受験やし、ここで弾いてもらいましょか。じゃあ今日は練習終わりや。次の授業、遅れんときや」
「失礼します。ありがとうございました」
さっさと音楽室を出て行こうとする俺の右腕がいきなり引っ張られた。
「……おっと?」
「一条……くん?なんでそんな弾けるん?おかしない?昨日の今日やで?もう暗譜やったよね?しかも鍵盤見いひんと、よそ見してたな」
「そんなことないよ」
「あ、そう」
ぷいって顔をそらし、早足で沖田さんは教室に戻っていった。




