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第34話 周りには決して伝わらない

総PV10000になりました。皆様のおかげでここまできました。

ありがとうございます。




ちょっと考えて欲しい。


河村陽奈、彼女は単身東京にきた。


彼女は俺の家に住まわせてもらってはいるものの、このマンションは親のものであり、俺が彼女を気に入らないからといって……


そう、俺は彼女を追い出すことはできない。


もっと言うと、あの日、喫茶店で陽奈の母親にも「はい」と宣言しているのだから、尚更だ。


それでも、やはり俺に負い目があるとは思うので、そんなにひどいこと……例えば、有希子と別れろとかーー考えたくもないけどーーそんなことは言わないだろう。


でも、陽奈と付き合うということは、もちろんあの有希子とのルール3に違反している……


陽奈とそういう関係になるのは……恋人になんか……そんな素振りだけでも見せられない。


前だったら陽奈に言えた。「二股になるから」って断れた。




有希子には、女の子と2人で住んでるとは言えない。今更だ。


マンションだって、有希子に紹介したマンションは、別宅。


もし、正直に話してもーーなんでこれまで話してくれなかったの?って言われるに決まっている。


誤解を解こうとして、言い訳しても、ムダだろう。一発でアウト。別れ話になってそれで……


もし、有希子が納得してくれても……


これを一番危惧しているんだが、仮にあの陽奈の俺のことが好きだという言葉を本当の事だとして、俺が有希子に本当のことを言ってもまだ有希子と俺が付き合っていたらーー


有希子にいらぬことを吹き込まないか。陽奈はたぶん、そこまでしでかす。


個人情報は陽奈に言っていない……けど、最悪のことは想定される。


陽奈はおそらく、連絡先くらいどうにかして手に入れる……かもしれない。


4月の俺は、机の上にスマホを置きっぱなしにしていたことも……多かった。


考えれば考えるほど、俺は雁字搦めになってしまった。




それからーー学校で陽奈はカレカノアピールを始めた。


登校するときは、階段のところまで、一緒に手を繋ぐ。


そして、昼休みにはーー


「ともくん、一緒に昼食食べよ?」


「わかった」


俺は教室の席を立つ。


クラスメイトの奴らは、何も不思議に思わない。


なぜなら、陽奈は俺に、彼氏らしく振舞うように言ってきて、俺が従っているから。



だから、陽奈はわざと食堂の真ん中で、イチャつく。


「ほら、あーん」


もう、美味しくもなんともないけど、一応、言っておく。


「おいしいよ」


「本当にそう思ってる?」


「思ってる」



タカのやつは……俺が陽奈と付き合ってるって(いうことのなっているとは分からずに)思い込んで、完全に俺を目の敵にしている……


あいつ、陽奈の本性を知らないから、陽奈のことが好きなんだよ……


一度、タカに話そうと思ったけど、察しの良い陽奈は「言ったらわかってる?」


はあ。その一言でわかるよな?


逃げ道は大体塞がれてる。



陽奈はーー


刃物を持ち出さないヤンデレ。


そして、なにより、巧妙かつ悪質。


お先真っ暗。


そんな日常のまま、俺は中間テストを終え、梅雨の季節へと入っていった。






沖田「おい、そこのアホタレ、こっちは鬱憤溜まってんねん、ボケ!」

あき池「(ブルブルブルブル)……は、はい……」

沖田「次はないで……分かっとんな?」

あき池「……ふぇ!」

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