第30話 夢の国へ
すいません……これは完全に自分の趣味です……!
ですが、一応、伏線もある……はずです。
使っている名詞は、ギリ、セーフのはずです。
何かありましたら、教えていただけるとありがたいです。
あくまでもフィクションです。実際の情報とは多少違いがあります。
翌朝。
「おはよー……ふぁああ」
「お、おはよう」
……だよな。
だと思った。
服、着てないよな……そりゃ。
「ん、どないしたん?急に後ろ向いて」
「……服、着てくれ……!」
「あ……ごめん、昨日のままやったわ〜〜。着るね」
朝から心臓に悪い。
「今日はどうするん?」
「ちょっと、言ってなかったんだけど、俺、実は……」
そう言って、あのネズミのキャラクターのぬいぐるみを取り出す。
「ディズ「ちょっと待て、それ以上はダメだ」
「実は私もな……」
そう言って、あのネズミの恋人のネズミのストラップを見せてくる。
よかったー。有希子がアンチじゃなくて。
「今日、陸の方行って、明日、海の方に行かない?」
「え……ホンマ!行こ」
「よし」
それから、東京駅で乗り換え、JR京葉線の舞浜駅で下車した。
やっぱ連休中だけあって人は多い。
「ここ来るん、何年ぶりやろ?」
有希子はもうテンションマックスのようで。
今日は五月晴れ。
もう俺の彼女は、るんるん気分で……。
ボンボヤージュの前を通り過ぎていくと、もう手荷物検査の列が伸びていた。
「あかん……やばいな」
有希子、生まれてから人知れず通う俺はいろいろテクニックを持ってるのさ。
「有希子、これを右にスルーしていくぞ」
「え?」
そこからちょっと歩き、ピクニックエリアまで進んで行く。
そこでは、すぐ手荷物検査をしてもらえた。
「こんなとこあったんや……」
「ま、だいぶ時短だよな」
そして、入場ゲートの前にあるチケット売り場に行こうとする有希子。
30分前になるまでそこは開かない……!
俺は少しサプライズのつもりで、イーストゲートレセプションへ行く。
「すいません、年間パスポートの発行、お願いします」
「ちょ、知明くん、いきなりどうしたん?」
「ま、ちょっと……な」
窓口でお金を払う。
有希子は、混乱しながらも、キャストさんの指示に従って、写真撮影をする。
「……お金……払われへんで」
「なーに言ってんだよ。また東京来ても、一緒にここ、来れんだろ?安いもんだよ」
「……」
有希子は視線を地面に向けたままだ。
あれ、もうちょっと喜んでくれるんじゃ……?
そうこうしているとパスポートは出来上がる。可愛いデザインだよな。
いざ年パスを手に取ると、有希子は満面の笑みを浮かべてくれた。
「じゃ、インパするか」
「うん!」
ご機嫌は直ったよう(?)で、入ってまもなく、有希子は赤に白の玉模様のカチューシャを買い、俺は黒白のカチューシャを買わされる。
「お揃いやん。写真!」
ああ、ごめん……!俺、今までこういうカップル、睨んでたわ。
俺がこんなことできるなんて思いもしなかったぜ。
すまん、ポップコーンも一緒のケースを食べてます。
間接……はい。すいません、食べるタイミング重なって手、くっつきました……!
……ただ歩いているだけでこんなに楽しいって思ったことは一度もない。
「どこ行こう?」
「私、ショー見るのが好きなんやけど……知明くんはアトラク派?」
「一緒。ショー派だ……!」
ばっちり目的の合致する俺と有希子は、“明日の世界”にあるショースペースへと向かい、スタンバイ列に並ぶ。
「ホンマ残念やね。このショー、12月に終わってまうんやろ?」
「ああ、昔の古き良き時代のものがどんどん無くなっている。残念だ……!」
「……そ、そやね……」
11時30分前になり、席への案内が始まった。
早くから並んでいたため、中央の前方席を確保できた。
「こんないい席座ったことあらへん」
「そうなんだ、あっ」
有希子はなぜかいきなり俺の写真を撮る。
「ここ、日差しあらへんから」
そしてショーが始まった。
ショーが終わるともう12時。
「どこでご飯食べよ?」
俺は“世界の市場”内にあり、もうすぐ利用できなくなる、マップに載っていないレストランを予約することに成功していた。
「あのATMの横に扉があるだろ?あそこがレストラン」
ちょっとドレスコードに引っかかる……かも知れないが、そこはオーケー。
とあるパートナーホテルの支配人が知り合いなもんで……。
中に入り、早速料理を頂く。
「なあ、思ってたのとちゃうんやけど……私来てええ場所なん?」
「ああ、そんなのいいよ」
食事を終え、“幻想世界”のシアターショーや“西部世界”の大人気ジェットコースターに乗った。
待ち時間が……100分とかで。
まあ、待つ間に、普段話せない分も有希子といろいろ話せたから、いい。
そうこうしているともう午後7時ーー
さあ、ナイトパレードが始まる。
最近は結構最前列を取りやすいので、有難い。
パレード後、いつもの花火タイム。
10分間、1日を振り返る。
「綺麗やな。何回見てもええわ……」
ま、今日来た甲斐があったかな?
最後に、一緒にシンデレラ城の前で写真を撮る。
「ホンマ、昼はびっくりしたけど、楽しかったで!」
「良かった」
有希子はとびきりの笑顔を見せてくれた。
俺も有希子も明日のため、その日は早く寝た。
次話『海の世界へ』
小川「この写真腹たつな……お、陽奈ちゃんの写真……心の友よ……!」