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第25話 一足遅れの名前呼び

感想ありがとうございます……!

少し返信の方、遅れましたがお許しを。

また、ブックマーク、評価ありがとうございます。



高校生活が始まった。


陽奈は家事を一通りこなしてくれる。


洗濯物も掃除も。


本当にありがたい。


弁当まで作ってくれるし、またとっても美味しい。


まあ、予備校とか通っているとヒマないよ。


遊んだり、クラブしたりとか、もってのほか。


帰宅部になるのは自然なこと。


女子……ね。あんまり俺にビビってくる子はいない。


陽奈は……まあ、いいか。


俺を好きって言ってくれてはいるが実際のところどうなのか。


あの日以来、すごく自然に接してくる。


同級生はすごい大人びているように感じる。


特に、女子みんなの清楚な感じは俺の好みだしね……ん?


なんか背筋が寒くなったけど気のせい……かな?


春休みから、頻繁に、浦安に出入りしている俺は、イライラしていた。


夢の国では最近、キャストさんは、ソロ(ぼっちじゃない)の人にも優しくなった。


お前らカップルな、急に道の真ん中で立ち止まって見つめ合うな。ポロポロ、ポップコーンこぼすな。


俺だって……沖田さんと行きたいんだ!


おっとすまない。つい感情が溢れてしまった……。八つ当たりなのはわかっている。


そんな俺に突然メッセージを知らせる通知音が鳴る。


沖田さんからだ。


『最近全然メッセージこないけど、どうしてる?今電話してもいい?』


『全然OK。こっちから掛けるね』



よし。



「もしもし。久しぶり」


「もしもし」


「連絡できてなくてほんとにごめん」


二週間ぶりに聞く声は……重みがある。


「もう。けど仕方ないよね。勉強頑張ってるみたいやもんね」


「……」


「なに黙ってるん?」


「え?あ、いや、なんでもない」


「東京って私よりきれいな人いっぱいおるやろ。うつつ抜かしてへん?というか芸能人もいるんちゃう?」


「いや、そんなに会わないよ」


「ほんと?」


「ああ、神に誓って本当だ」


「まあ、重かったり、しつこいと遠距離恋愛って失敗するって聞いたし」


「俺は絶対浮気しないからな」


「嬉しいわ、その言葉。信じるで。逆に私、誰かと一緒にいるかもしれんで?」


「俺は心配していないから」


「もう、すぐそんなん言わんといてや。と・に・か・く、私たち、付き合ってるよね!じゃあ、下の名前で呼び合お?ほら、知明くん!有希子って言うて」


「有希子?これでいいか?」


「……なんか慣れてんな……まあええわ。もう一回言ってくれへん?」


「……有希子」


「録音したから。あと……私、朝起きれないから目覚ましの音楽として使うから、『有希子、起きろ。有希子、学校に遅れるぞ』って言うてや」


「恥ずかしいよ。録音って。そんなことよく言わせるな。でも、言ってやるよ。ん、ごほん。いくぞ」


「うん。準備オーケー」


「有希子、起きろ。有希子、学校に遅れるぞ……もういい加減にしてくれよ?」


「バッチリ。あ、もう一回いい?」


「うそつけ。録れてるだろ。で、GWの話はどうなったんだ?」


「もちろん東京に行くって親に相談したら許しもらえたわ」


「じゃあ、細かいところはこれからか。いっぱい出かけたりしような」


出かけるのは、家にいる時間を減らすのもあるが……。


「うん。そうね。私、休みが楽しみで毎晩眠れへん。どう責任とってくれるん?」


「知らねーよ。じゃあな。電話ありがとうな」


「またね!切るね」



俺は暗くなった画面をずっと見つめる。


ベッドに寝転がって、なんとも言えないやるせなさを感じる。


毎日、夜に彼女とメッセージのやりとりをするのはもちろん日課。


たまに用事で返事が遅れることもあるけど、ちゃんと誠心誠意やってる。



はやく連休来ないかなあ。


会いたい……




河村「私、家政婦さんみたい……」

あき池「(まあただで住んでるしな、豪邸に)……」

河村「もう私は高校出てから路頭に迷う運命なの」

あき池「……俺の家来る?」

河村「……死んでもイヤ」

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