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第2話 俺と沖田さんの普通な出会い

ラブコメらしくないかもしれませんが、はじめのところは勘弁して下さい。

俺は一条知明。


ふつうの男子。頭もそんなよくないし。


でも、ずっとピアノをやってきたから、これには自信がある。


中学3年になって、母さんの転勤で、急に2学期に大阪に引っ越すことになった。


今日は、2学期の始業式。


初めて転校先の中学校に登校する。


まあ、何回も転校を経験してきた俺は、初めが肝心だと知っている。


感情を無にして、教室の扉を担任に続いて入る。


笑わない。なぜなら、俺はイケメンじゃないから。


この半年を乗り切れば、新たに高校生活がイチから始まる。


流石に親も高校に入ったら転校しないようにするって言われている。


いいか。余所者は目立ってはいけない。


カースト上位と下位を見極め、手頃な奴を狙って仲良くなり、話を聞き出す。


地元の方のご意向には背いてはいけない。


ん?俺は、決してぼっち……じゃないよ?


仲良くする奴を絞っているだ……けだから。


けどな、クラスメイトをぐるって見渡した俺の視線に……


俺はその人に思わず目を奪われた。


彼女とは目があった気がした。でも逸らされた気がする……。


「みんな、静かにしてな。じゃあ、自己紹介してね」


担任の先生が黒板に名前を書き始める。


「はい。札幌から来ました、一条知明です。よろしくお願いします」


まばらに拍手が起きる。


「そうやな……まあ、あの後ろの席座ってな」


俺は言われた通りの席に座った。

何もない、ただ、両隣に人がいるだけ。


俺は、数日間クラスの分析を行った。


俺が、目があった(つまりそういうこと)女子は沖田有希子というらしい。


そう。


俺は彼女に一目惚れした。


彼女はその持ち前の美貌と人当たりのよさを存分に活かし、クラスの中心人物として教師からも一目置かれる存在。


まあ、俺が気になるって子だから、もちろん、学年の中でも人気がある。


席がたまたま横だった中村は俺と仲良くしてくれた。


俺はまったく関西弁が話せなかった。


受験生からかもしれないが、中村は俺が受験する高校をどうしても聞きたいようだ。


「なあ、一条は公立、もしかして私立?」


「私立はないかな」


「公立やったら……ってまだ分からへんな」


「中村はどうなんだ?結構いろいろ頑張ってたし、お前こそ北高校はバッチリじゃないのか?」


「いや、そんなことあらへんし」


「まだまだ先の話かと思っているとすぐ受験だしな」


「そやな、ところで沖田さん、どこの高校行くか知ってる?」


「いや、知らない。どこ?」


「南高校やて」


「へー。やっぱ勉強もできるんだ」


「イヤミな奴やな、お前、結構できるん知ってるんやで」


「やめろよ。なにも決まってないんだ、担任との面談もまだだしな」


そのまま話をはぐらかした。


実はーー


もう10月くらいには、また母の転勤がなんとなく決まりそうだと俺は知った。


俺は、母さんと相談して、東京の私立に入ることだけを念頭に勉強することに決めた。


地元の塾は、もちろん地元志向だったから、自分で勉強することになった。


こんな俺はまったく中村以外の友達はできなかった。


休日返上で勉強に打ち込んだ。


すべての煩悩を捨て去って、シャーペンを動かした。


まあ、気分転換にと、3連休で1日だけ中村と遊んだがな。


クラスが同じなだけで、沖田さんと話すことすらない。





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