2話 愛珠高校①
(´・ω・`)リリースザスパイス良いよね、ニコニコの生放送の流れ好きですはい。
「さて!、自己紹介してくれるかな?」
平凡な教室、少女は先生に促され、30人は座ってこちらを見ている空間で、数秒ほどした後に口を開いた。
「‥‥五十海 碧那、16歳、好きなものは果物のスムージー、趣味はパソコンいじり、これから、よろしくお願いいたします」
自己紹介を終えると、生徒達は拍手を送り、碧那は事前に先生から聞いた席に座る、そこは窓側の一番端の席であった。
休み時間、生徒達は一斉に立ち上がり、碧那のまわりに群がった。
『ねぇねぇ!、碧那さん!、貴女スムージーが好きって言っていたよね!、何の果物のが好きなの?』
「イチゴ」
『碧那さん!、これから時間ある?、どうせなら学校案内しようか?』
「ごめんなさい、もう学校に何処になにがあるか記憶してるの」
『ねぇ碧那さん――』
碧那は淡々と生徒達の、主に女子の生徒の質問に答えていき、それは休み時間の終わりまで続いた。
(はぁ‥‥麟十朗様は何を考えてこんなことを‥‥)
・
3日前、四人の麟十朗に従う少女達のもとに制服が届けられた、神機妙算には偏差値がニホン一番に高い高校 愛珠高校。
一騎当千には、こちらは逆に偏差値が一番低いヤンキー チンピラが多くいる高校 業霊高校。
艱難辛苦にはいたって普通の細産高校、あえて言うならここ数年は手芸のコンテストに優勝できていないというくらいである。
最後に順風満帆はニホン有数のお嬢様学校だった女闘牙原高校、最近は男も入れるようになったらしい。
「あの‥‥これはいったい」
困惑ぎみに神機妙算が口を開く
「そうだな、お前らも16だ、人との関わりとか普通の生活をさせたいと思ってな、ちなみにお前の名前は制服に縫ってあるぞ?」
「‥‥五十海 碧那、偽名ですし、それに五十海ですか」
「まぁ俺の娘ってことにしておいたほうが良いだろ?、悪かったか?」
「いえ、特には、碧那ですか‥‥」
「僕には朱華、いいよね!いい名前だ!」
「わたくしには~、黄萌ですか~」
「そしてワタシにはぁ、翡翠‥‥シンプルっすね」
「偽名だが下手に本名使うよりかは安全だろう、とりあえず目立つもよし、目立たないようにするもよしだ、ただ一つだけ言えることはこれを飲んでおくことだ」
麟十朗が指を弾くと、四人の上の天井から小瓶が一つ落ちてくる
、それを皆キャッチする、それには超人抑制薬品と書かれている。
「うちで開発‥‥主に神機妙算の力だが、それを飲めば1日超人的な力は抑制される、まぁもとから超人のお前らにとってはそこまで足枷にはならんか、あぁちなみに非常時には自身の血液を摂取すればその抑制薬品の効果は切れるようになっているぞ」
「ふむ、まぁそこまで用意してくれたなら断れませんね、卒業まででしょうか?」
「無論だ、さて、お前らに合った高校を選んだ、頑張ってこい、ついでにだが、裏に麻薬カルテルがいたならそれを排除してくれ」
「「「「はい!」」」」
・
そして、今に至る。
『す‥‥凄いね、碧那さん、全科目100点なんて、ここの高校の問題、大学相当のまであるはずなのに』
「これくらいどうってことないわ、それじゃあ私はこの辺で失礼します」
碧那は廊下の抜き打ちテストの点数表を見た後、踵を返して、下駄箱に向かった。
「‥‥あの、碧那さんでよろしいか?」
「ん?、なんでしょう」
靴を履き、外に出た辺りで、男が1人そこに立っていた。
「僕は昭島 双木、今日のテスト二位だった人だよ」
「へぇそう、その二位の人がなにようですか?」
「単刀直入に言おう、この学校のパソコンの中身を調べて欲しいんだ」
「‥‥つまりハッキングしろと?、なんの見返りもなしに?」
「噂で聴いただけだけど‥‥この学校の裏ではスラドが売られているっていうことを耳にしたんだ」
「ふぅん、面白いわね‥‥良いわ、行きましょう」
「えっ!?、今から?」
「もちろんよ、今の時間なら先生は次のテストの作成中だしね」
碧那は再び上履きを履き替えると、最短の通路を通って三階のパソコン室の前にきた、しかしその扉は鍵ではなく、電子キー、つまりカードが無いと入れない仕組みになっている。
「ふぅん‥‥厳重ね、他は旧式の鉄の鍵で開けるタイプなのに、まぁそれだけで怪しみのは早いわね」
「どうする?、今から職員室に行くというのも変だし、そもそもパソコン室に入るのは授業以外は出来ないし」
「問題ないわ、これくらいのもの」
碧那はバックからペンを取り出すと、ノックボタンを一定のリズムで押すと、《指紋から●●●●を確認、ハッキングモード受託しました》という一部ノイズがあった電子音声が聞こえてくる。
「えっ!?、なにそれ?」
「このことは他言無用よ、言ったらあなたの命の保証はしないから」
碧那はノックボタンをカードを触れさせる黒いパネルに近づけると、電子音が鳴った数秒後、ガチャという音が響き、パソコン室の扉が開いた。
「うそん‥‥」
「さぁ、何もないにこしたことないけど、どうなるかな」