私の家!
御巫「し…死ぬーー!!…っっ!……ん?」
ガギイイィィ…!
御巫が目の前を見ると音無が右足エラーで少女のパンチを防いでいた。
ギギギギギギ…!
音無「んぐっ!!(こ…この子!強い!)」
御巫「ゆり!」
「んんんっ!(″由梨花さん″…本物!)」
音無「おりゃ!」
「くあっ!?」
腕を弾き、少女の腹をめがけて回し蹴りを放つ音無。だが、
ギュイイィィン!!
音無「な!?(左腕も!?)」
少女は左腕をエラーにしてそれを防いだ。
しかし、力は当然音無の方が上。
少女は力負けして尻もちをついてしまうのであった。
「い…!お尻いったーい!!」
御巫「おいおい。やりすぎじゃね?」
音無「そ…そんな事言われても。大丈夫!?ごめんね!!」
「だ…大丈夫です!こちらこそごめんなさい…。いきなり攻撃してしまって。」
御巫「ま。とにかくあがりな。訳ありそうだな。」
「はい!」
少女は家に入るやいなや、おおはしゃぎをする。
「うわーー!うわーー!」
御巫「なんだろうな…。このなんとも言えない感じ…。」
音無「急に賑やかになったね。オレンジジュースあるけど飲む?」
「飲みます!わーー!こっちはなんの部屋!?あっちは!?これが″私の家″かー!」
30分後。
御巫「…。」
音無「…。」
御巫「集合ーーー!」
「はい!」
御巫「整れーーつ!番号っ!」
「1!」
音無「一人しかいないのに…。」
御巫「じゃあ。本題に入ろう。こほん。俺は御巫 零。んで。君は俺をお兄ちゃんと呼んだが、俺には本来、妹がいないはずなんだが…。どーゆーこった。」
「あ!その前に自己紹介してませんでしたね!では…。
私の名前は御巫 澪!さんずいにお兄ちゃんの零で澪です!
お父さんは御巫 聡史!お母さんは御巫 ユカ!そして零お兄ちゃん!」
御巫「澪…澪か!へー…!えっと…。なんて呼べば…。」
澪「澪でいーよ!お兄ちゃん!あ!私14歳!」
御巫「じゅ…14歳なのか!?だいぶ若いとは思ってたが…。てことは中2か…。」
音無「あら~…。」
御巫「そだ…!紹介しておく。彼女の音無 由梨花だ。」
音無「音無由梨花です!よろしくね!えと…。」
澪「澪で大丈夫だよ由梨花おねーさん!」
音無「わかった!よろしくね澪ちゃん!」
澪「はい!こちらこそよろしくお願いいたします!」
御巫「なんか…。俺らの事知ってるぽいな。初めましてにしては自信がありふれてるというか…なんというか…。」
澪「知ってるよ!ぜーんぶ!お兄ちゃん達が何者かも!テレビでもお兄ちゃん達見てたしね!7年前!」
御巫「そーなの!?」
それはBreaker!!!72話であった。
――――――――――
≪続けてお伝えいたします。東京都にいる皆さんは早急に避難してください。現在国会議事堂前では…≫
澪「あ……。」
暗い部屋でテレビを眺め続ける澪。
澪「パパ…。私も‘お兄ちゃん達’みたいになれるの?」
澪はその後もテレビを見続けた。
澪「会いたいな~。お兄ちゃんに…。」
――――――――――
御巫「ホンマや!え?まって…。その前に14歳?俺24…。てことはなんだ…。俺が10歳の時に生まれたって事だよな…。てことは…。」
音無「零ちゃんの両親は生きてた…。って事になるよね…。」
御巫「そんな…。だとしたら……。なんで…。生きているのか!?親父と母さんは!」
澪「えっと……。」
先ほどまで笑顔は消え、悲しそうな顔をする。
澪「生きてるといえば生きてるし、死んでるといえば死んでる…かな。」
御巫「どーゆー…ことだ。」
澪「うん…。」
しばらく黙りこんでしまう澪。
音無「さっき、テレビで見てたって言ってたけど、それはどこで見てたの?」
澪「…言えない。″今″は…言えない。ごめんなさい…。」
音無「あやまらないで!気にしないでね!」
澪「はい…。」
澪は何かに気がついたかのように時計を見る。
既に時刻は夜10時を過ぎていた。
澪「わ…私そろそろ″行きます″!オレンジジュースごちそうさまでした!」
御巫「行くって…。どこへ?」
澪「これも…言えません…。」
御巫「そうか…。」
御巫と音無は澪を玄関で見送る。
その時澪はこのような言葉を残した。
澪「お兄ちゃん、由梨花おねーさん…。今日は突然でしたがありがとうございました。」
御巫「大丈夫!いろいろびっくりしたけど会えて良かったよ!帰り気をつけて!」
澪「ありがとうお兄ちゃん。最後に…警告しておく。」
御巫「警告?」
澪「そう…。警告…。気をつけて…。
″お兄ちゃん達″は狙われてる…。またね…お兄ちゃん…。」
その言葉を残し澪はどこかへと行ってしまった。
御巫「御巫…澪…か…。」
音無「すごく可愛かったね。澪ちゃん。」
御巫「ああ。流石は俺の妹…。じゃなくて!謎多すぎ!!何!?警告って!!俺殺しても面白くないよ!!親父と母さん生きてるの!?あっ!なんでエラーになれるのか聞くの忘れたー!!!」
音無「うるさいなー!近所迷惑!!」
御巫「あれだな…。あの感じ、まるで誰かが裏で操ってる感じだったな。」
音無「そうだね…。もしたしたら妹とかも嘘だったり…。」
御巫「いや、それはないかな。」
音無「どうして?」
御巫「顔が似てた。母さんに。よくよく考えてみれば親父も母さんも死体が確認されてない。どこかで生きてる。なんて考えも昔からあった。」
音無「そうだったのね…。」
御巫「この事は轟さんに報告する。これは一歩だ。」
音無「一歩?」
御巫「そうだ。轟さんが言ってた″何か匂う″を解くための一歩なんだ。轟さんも勘がいいぜ!」
音無「なんか、嫌な予感しかしないな~。」
その頃。
どこかへ向かう澪。
澪「警告はできたけど…。殺されちゃうよ…。″お兄ちゃん達″でも″アイツら″には勝てない…。どうにかしないと!」
to be continued…!