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転生先は獣人!?~FANTASY LIFE~  作者: 子狐エルザ
第二章:ライバルギルドバトル編
23/45

23.新しいスキルを試すの楽しみ!by.狐司

ついにPVが10000突破!

みなさん、ありがとうございます!

 一方、暗雲に包まれ、雷が鳴り響く古城……その大広間にジャドーと玉座に座る影がいた。

 ジャドーは膝まつき、頭を下げている。


 「ということですので……どうかあの野郎を叩きのめすチャンスを!!」

 「だが、お前はすでに負けているだろう?勝てるとは思えんが?」

 「お願いします!」


 その目はやる気よりも殺る気といったほうが合うほど、復讐の炎が燃え上がっていた。

 それを見てか、影の口元が二ヤリと笑った。それは悪そうで……何か考えがあるような笑い。


 「いいだろう、やってみろ」

 「ありがとうございます!あのクソガキ……覚えてやがれ……」


 礼を言い、ブツブツ言いながらその場を離れるジャドー。

 玉座に座る影の後ろから、もう一つの影が現れた。体格や身長が違うことから、別人であることがわかる。


「竜王と一つになった獣人……面白そうね」

「ああ……これからどうなるか……フフフ」


不敵な笑いをすると、二つの影はその場から姿を消した。


 僕は地下でストレッチしながらまだ来ぬマスター達を待っていると、誰かの声が聞こえた気がした。

 それはとても高い声で、威圧感のある声な感じ……だけど、今ここには僕しかいない。

 気のせい……なのかな?


 「準備は完了したか?」

 「ん……あ、はい」


 いつの間にか来ていたマスター達が後ろから声をかけてきた。

 腕をグルグルと回してるのは温めてるのだろうか?それともヤる気を表してるのだろうか?たぶん後者だ。僕だってやる。

 ていうか、先にいくつかのスキルを試したいんだけどな。

 えっと、《ドラゴン化》と《変化》と《二心一体》と《キュア》の四つ……かな。どれから試そうかな。

 マスター達と話しあった結果、《変化》→《二心一体》→《ドラゴン化》→《キュア》という順になった。

 え、理由?

 《変化》は狐獣人や狸獣人にたまに見られるスキルなため、狐獣人の僕ならやりやすいかもしれないとのこと。

 《二心一体》は、もう一つの魂が吉と出るか凶と出るか気になるため。

 《ドラゴン化》は《変化》ができればできるだろうということで。

 まぁ、僕の生前でも狐は人を化かすのが得意というのがあるし、僕が思ってるより《変化》は簡単に使いこなせるかもしれない。

 よし、今後のために頑張ろう!


 「さて、早速《変化》をやってもらうが……その前に聞く。お前は前の戦いで攻撃スキルを連発させていたそうだが……どうやって使っていたか覚えているか?」


 ど、どうやって?

 そういえば、よくわからないんだよね。

 あの時は集中してたからよくわからないんだよね……。


 「魔法スキルだけでなく、攻撃スキルの多くはMPを消費する。そして先ほどニノシルが言ってたが、《変化》中は五分ごとにMPを消費する。つまり、《変化》は魔力を使って体を変化させる。それはわかるな?」

 「はい」

 「大切なのは魔力のコントロールと集中力と想像力」


 そ、想像力?

 魔力のコントロールと集中力はわかるけど、なぜ想像力……ああ、なるほど。

 自分が何かに変身するならともかく、存在している誰かに《変化》するのならば、その姿をハッキリと頭に浮かべなくちゃいけないもんね。

 慣れればポンっとできるかもだけど、最初が肝心だからね。


 「理解が速いのは助かる。じゃあさっそく魔力を感じるところからやってみようか。魔力は血と同じく体中を巡っている。集中して感じ取ってみろ」

 「は、はい」


 ゆっくり目を閉じ、集中して魔力を探ってみる。

 にしても、魔力ってどんなのなんだろう?やっぱり、今まで感じたことのない流れ?を感じればいいのだろうか?

 しばらくして、血とは違う……体中を流れる何かを感じてきた。

 これが……魔力?


 『条件が一定に到達……スキル《魔力感知》を獲得しました』


 うん、間違いないようだ。


 「……どうやら魔力を感じ取れたみたいだな」


 目を開けてみると、二ッと笑ったマスターがいた。

 やっぱりアレが魔力の流れで間違いなかったようだね。


 「次は魔力のコントロール。指先に魔力を集めてみようか。指先が少し熱くなればクリアだ」


 指先に……か。

 指を一本立ててやってみる。

 やる前に短くも鋭そうな爪を見て、切った方がいいかなぁと思ったのは秘密。イヌ科だし、いいよね。

 気を取り直して、体中のエネルギーが指先に集まるように集中すると、だんだん熱がこもってきたのを感じた。

 すると、何かが指先から放たれた感じがしたと思うと、床に何かが当たったというか……とにかく音がした。

 目を開けてみると、床には穴が開いていて、そこから煙が出ていた。

 あ、なにこれ?


 『条件が一定に到達……スキル《魔弾(マジックショット)》を獲得しました』


 あ、新しいスキルが……獲得できちゃった。

 魔弾……魔力の弾なんだろうか。

 マスター達を見たら、ボーゼンとした表情をしたまま固まっていた。

 えーと……テヘペロ☆


 「おま……今のはわざとか?」

 「いやいやいや、偶然ですよ。それに、たった今スキルを獲得したので!」


 まさかこんなことになるとは……ま、事故だし、怪我人は出てないし……ね。

 ……はい、ごめんなさい。不可抗力とはいえ、僕が悪かったです。


 「まぁ、魔力のコントロールは大丈夫そうだな。じゃ《変化》をやってみようか。そうだな……一番近くに多くいたヴァンになってみようか」

 「ヴァンに?」

 「他の奴よりヴァンの方がハッキリと浮かぶだろう?」


 まぁたしかに……ギルド内じゃヴァンがハッキリするかも。

 よし、やってみよ。

 再び目を閉じて頭の中でヴァンの姿を思い浮かべる。

 最初はボヤッとだったけど、だんだんとその姿がハッキリとしてきて次第に完全な姿となった。

 よし、今だね。

 わかる……僕の体が変化しているのが。なんだか変な感じがするや。

 しばらくして目を開けると、いつもより目線が高く、いつの間にか用意されていた姿見の鏡には僕ではなく、ヴァンの姿が映っていた。


 「おお……ホントにヴァンの姿に……!?」


 え、あれ、声が……


 「お、気が付いたか?変身すれば声色も変わる。存在している者に変身するのならば、必要なのは本人の行動や癖などをうまく再現することだ」


 再現……か。本人を徹底的に調べないといけないわけだ?

 うっわ、結構手間だね……。イタズラなら軽く程度でいいんだろうけど……仕事となるとマジにならないといけないわけか。


 「マスター、お客様が……」


 突然入ってきたシーナが、僕を見たとたん目にも止まらぬ速さで僕を蹴り飛ばしてきた。

 吹っ飛ばされた僕は壁に叩きつけられたショックで《変化》が解け、元の姿に戻ってしまった。

 痛い……めっちゃ痛い……ヴァンはいつもこんな蹴りを受けてたのか……


 「え、コウジ……?あれ、どうなってるんですか……?」

 「コウジ君は《変化》の特訓で一番身近のヴァンに変身してたのよ」

 「そうだったんですか!?すみません……てっきりヴァンが仕事にも行かずに未だここにいたのかと……」

 

 うん……わかるけど、いきなり蹴りはどうかと思うよ?

 でも、これでヴァンへの蹴りが減るかもしれないし、よかったのかもしれない。めっちゃ体張ったけど。

 さて、シーナが戻ってきた理由は直接の緊急依頼とのこと。

 依頼者は鹿の獣人で、学院の先生をやってるそうだ。

 学院はこの街の出入り口付近にある学校で、国のお役所に付きたい獣人が入って学ぶところなのだとか。向こうと違って義務ではなく、志願者のみらしい。

 依頼は数学を教えてる先生が急病で穴が開いてしまったため、頼まれることが多いシーナにお願いしようとしたらしいのだが……。


 「困りましたね……私はこれから仕事ですし……」

 「とはいえ、子供達は学院以外ではシーナさんにしか懐いていないですし……」

 「さて、どうするか……」


 しばらく唸っていたマスター、シーナ、ニノシルさん、先生。

 同時にハッと何かを思いついた表情をしたと思うと、バッと一斉に僕の方を見た。

 あれ、なんか嫌な予感が?

最近読者が楽しく読めてるか気になってきた……

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