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バレました

帰国後、すぐに萌恵の家にお土産を持って行った。


「ありがとー‼」


萌恵はぴょんぴょん跳び跳ねて喜んだ。


「鈴ちゃんはまだ、初詣に行ってないよね?萌恵も俺もまだなんだよ。だから、今から行こうか?」


若社長の言葉に萌恵も頷いていて私は断る事が出来なかった。





3が日が過ぎた神社はまばらに人が居るが、大した人数ではない。

萌恵が私の腕にしがみつき、若社長が後ろを歩いてくれているのが落ち着かない。


「まだ、甘酒ある。買ってくるから待ってて。」


若社長はそう言って甘酒を買いに行ってくれた。

ハッキリ言って若社長はマメだ。

おそらく、お雑煮が食べたいなんて言ったら食べさせてくれるお店に連れて行ってくれそうだ。


「お兄ちゃん、お寿司食べたい。」

「よし、寿司だな!」


私は慌てて言った。


「回るやつじゃないと嫌です‼」

「え?」

「出来れば一皿100円のお寿司が良い!」


私が力説すると若社長は苦笑いを浮かべていった。


「寿司なら良いやつを食べたくない?」

「庶民的な味の回り寿司じゃないなら帰ります‼」

「………解った、近い回転寿司探す。」


若社長を言いくるめてみた。

安いお寿司好き!

高いと値段が気になって純粋に楽しめないからだ。

ハッキリ言ってお寿司は好き!

ならお腹いっぱい食べたいし、海外帰りならなおさらだと思う‼

萌恵はそれが解っているんだ‼

私がすぐに帰らないようにしているんだと思う。

私も萌恵と一緒にもう少し居たい。

こうして、私達は回転寿司に行ったのだった。

まさか、田中織愛に見られてしまうなんて知らずに…………






休み明けの朝、会社につくとすでに私のデスクの前に田中が居た。

いつもなら居ない他の社員も新年一発目の出勤のため早く来ているみたいで数人が早く来ていた。


「なに?」

「何が何よ‼あんた社長とどう言う関係よ‼」


私は息がつまった。


「私、見たんだから‼ダサダサのあんたとキラキラの社長がお寿司屋さんから出てくるのを‼」


回りがざわざわし始めた。

勘弁してほしい。

私はため息をついた。


「ダサダサの私とキラキラの若社長がどうにかなると本気で思ってるの?どんだけおめでたい考えができるのか?頭の中味を見せて欲しいわ‼」

「だって仲良さそうにしてたじゃない!」

「仲が良いのはもう一人の女の子だって!若社長は私がこの会社にいることすら知らない顔見知り!」


私の言葉は真実だ。

自信満々に私が言うものだから田中の癇癪がピークだ。


「そんなこと言って紺野係長だけじゃ飽きたらずに社長にまでちょっかい出すなんて自分の顔を鏡でみてからにしてよ‼恥ずかしくないの!」


ヒステリックな声にイライラがつのる。


「顔は関係ないし。ぶっちゃけ私が誰と仲良くしようが、あんたには関係ないでしょ?会社の中でそんなくだらないこと叫んでて恥ずかしくないの?」


私もイライラがピークだ。

若社長にバレようがなんだってかまうか!

この女プギャッてやる!


「な!なんですって‼」


彼女が掴みかかって来た。

そのまま殴れば訴えられる。

そんなことを思った瞬間彼女は背後から羽交い締めにされた。


「君は何をしているんだ?」


止めたのは紺野君で後ろには若社長が居た。

若社長は私を見ると驚いた顔をしていた。


「松本先輩、大丈夫ですか?」

「紺野君が止めてくれたからね。ありがとう。」


田中は社長が目の前に来ると真っ青な顔になった。


「田中さん、まだ疲れているみたいだし家に帰ってゆっくり休むと良いよ。」


田中は力なく頷いていて帰っていった。

帰りぎわ滅茶苦茶睨まれた。

ぐったりだ。


「松本先輩、大丈夫ですか?」


紺野がまだ心配している。


「大丈夫。」

「疲れきった顔になってますよ。」

「疲れるでしょあれは………」


私の項垂れた頭にポンポンと刺激が降ってきた。


「だから、良い店にしようって言ったのに。」

「安い店が好きなんです。」


顔を上げると若社長にニコッと笑われた。


「もう、優駿さんとは出掛けません。」

「俺は萌恵の送迎をしているだけだよ。」

「………そうなんですけどね……」


若社長はさらにニコニコ笑って言った。


「うちの社員なら言ってくれればよかったのに。」

「いや、知らないの優駿さんだけだし………」

「え?親父も知ってるの?」

「知ってますよ。私、オーナーと社員旅行で仲良くなってたからすぐにバレました。………兎に角、仕事では社長様と末端平社員は接点なんて無いんですから構わないで下さい!」


私はハッキリと言ってやった!


「はいはい。あ、萌恵がお土産ありがとうって言ってたよ。」

「昨日からやたらとメールが来るので知ってます!」


若社長はケラケラと笑ってさって行った。

Hpがガリガリ削られたので私も帰って良いだろうか?


バレました。

結構あっさりバレました‼

鈴ちゃん!頑張れるのか?

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