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写メ……

コメントありがとうございます‼

いつも幸せな気持ちになります。

目が覚めると知らない天上。

あれ?この前も似たような事あったな………

ああ、ここは大矢さんの家だ。

私が寝返りをうとうとしたら動けない。

あれ?この前も似たような事あったな………

よくよく見れば目の前に男性と思われる体………

ああ、抱き締められている………

きっと嫌がらせだ、大矢さん離してくれ‼

私が文句を言おうと抱き締めている人物の顔を見ると思っていたのとは違う人物の顔がそこにあった。

………こ、紺野君?

何で?

私が悩んでいるうちに紺野君の瞳が開いた。


「………松本先輩?」

「う、うん。離してくれる?」

「…………うぁ!」


紺野君はそのまま私を離すとベッドから転げ落ちた。

起き上がって見れば私の後ろに百合ちゃんが寝ている。

近くにあるソファーに百合ちゃんの友達が寝ている。

ああ、皆で大矢さんの家に泊まったんだ。

それにしても紺野君の"うぁ!"は失礼じゃないだろうか?


「皆起きたかい?朝御飯出来てるよ。」


大矢さんの声に私はいち早く大矢さんのもとに移動した。


「ああ、化粧落とし忘れた。」

「ちゃんと落としといたよ!皆。僕がメイク落としシートで!」


向こうの部屋で紺野君が悲鳴をあげている。

皆ごめん。

大矢さんは良かれと思って………たぶん面白がってじゃないよ………たぶん………

慌てた感じの紺野君が部屋から出てき大矢さんがクスクス笑って言った。


「彼女達は余り変わんない方だよ。」

「え!!や、お、おはようございます‼………松本先輩は………何で化粧してない方が可愛いんですか?」

「………ありがとう。」


私はとりあえずお礼を言って大矢さんが出してくれたしじみ汁を飲んだ。

旨すぎる。


「染みるだろ?」

「うん!大矢さんはお婿さんじゃなくてお嫁さんになりなよ。」

「お嫁さんはなるんじゃなくて欲しいな!」


私の正面の席に紺野君が座った。


「………松本先輩可愛いです。」

「あ、ありがとう………あの、恥ずかしいから見ないで。」


私が苦笑いを浮かべると大矢さんが紺野君の前にしじみ汁と卵焼きと焼き鮭とご飯をおきながら言った。


「鈴音は男避けにメイクしてるからスッピンの方が可愛いかも知れないね。」

「!」

「鈴音お茶いる?」

「今はいい。大矢さん海苔と醤油。」

「はいはい。」


大矢さんは本当に女子力が高い。


「ちょっと遊んでくるかな?」


そう言うと百合ちゃん達がいる寝室に消えて行き、30分ほどして戻ってくると百合ちゃん達はフルメイクされていた。


「鈴音もしてあげよう。」

「後でね。大矢さんお茶。」

「はいはい。」


やっぱり大矢さんはお嫁さんの方が似合うと思う。

お茶を飲みながら百合ちゃん達を見ると何故か真剣にスマホのメモ機能になにやらメモをしていた。


「境、何時もより綺麗な感じだな。」

「係長!大矢様は神の手を持つ男ですよ!」

「ありがとう。百合ちゃんはもう少しアイラインひく練習した方が良いよ。」

「参考になります‼」


どうやら大矢さん式メイク講座をしてもらって居たようだ。


「鈴音、おいで。」

「はーい。」


大矢さんは私にメイクをしながら百合ちゃん達にポイントを教えてあげていた。


「何でそんなにメイク上手なんですか?」

「鈴音にメイクしたかったから。」


………いや、むしろ妹の瑠璃ちゃんにメイクしたかったが正しいだろう。


「鈴音は直ぐにメイク覚えちゃったから、つまんないんだけどね。」

「大矢さんの教え方が上手かったからだよ。」

「喋るとチューするよ。」

「………」

「よろしい。」


大矢さんは姉が居ない私と瑠璃ちゃんのために女子力を磨いたような気がする。

その女子力の高さが奥さんになった3人には受け入れがたい物だったのかも知れない。


「出来たよ。」

「ありがとう。」


私は綺麗にメイクされた自分を見つめて言った。


「これじゃ電車乗るの嫌だな。」

「萌恵ちゃんの家まで送ってあげるよ。」

「萌恵の新しい家知ってるの?」


大矢さんはニコッと笑った。


「弟の嫁だからね。………ああ、それと!」


大矢さんの笑顔が深くなった。

言うなれば邪悪な笑顔になった。


「紺野君が鈴音を離してくれなかったから、この写メ萌恵ちゃんに送ったけど良かった?」


大矢さんのスマホに写し出された紺野君の顎が見切れていて、ガッチリ私が抱き締められている写メが写っていて私は泣きたくなった。


「大矢さん怒ってる?」

「怒ってないよ‼ただ、面白がってるだけ!」

「う~!萌恵の家怖い‼絶対怒られる‼」


私はテーブルに突っ伏した。


「お酒禁止されちゃうかもね?」

「あう~。暫くは家飲みしか出来ないのか~。」


私はさらに悲しくなった。






萌恵の家につくと大矢さんは、手をふって車を走らせ去っていった。

嫌だな~。

でも、萌恵に言い訳をしないと後々怖い。

もっと怖くて面倒臭いことになるに決まってる‼

私は意を決して呼び鈴を鳴らした。


「あ、鈴ちゃんいらっしゃーい!」


萌恵が普通に出てきて私がビックリする。


「どうしたの?上がって上がって‼」


私は萌恵に案内されて萌恵の部屋に入った。


「昨日は楽しかった?」

「う、うん。………だ、大矢さんから写メもらった?」

「もらったよ‼鈴ちゃんの可愛い寝顔!見る?」


見せてもらった写メは私のアップの写メで紺野君の腕は布団がかかっているだけにしか見えない写メだった。

か、からかわれた‼

私は脱力した。


「お茶飲む?」

「飲む‼」

「美味しいハーブティーもらったんだよ‼持ってくるね‼」


私は安心して萌恵が帰ってくるのを待った。

その時、スマホがメールを受信した。

何気なく開くとそこにはさっきの写メ。

急いで消そうとしたその時。


「どういう事かな?」


無駄に良い声がした。

思わず"ひっ!"と声がもれてしまった。


「い、いや、これは………」

「それ、萌恵が見たらきっと凄いことになるよ。」


慌てて振り返ると、案の定若社長が立っていた。


「あ、あの……」

「彼氏?」

「違います‼後輩です。酔って雑魚寝したからで、回りには他に3人ぐらい居ます。」

「………鈴ちゃん。」

「はい!」

「萌恵にバレたくないよね?」

「はい!」

「じゃあ、俺と二人でデートしよ!」

「へ?」


あの、もしかして、脅されてる?


「鈴ちゃん、駄目かな?」

「………あ、あの………」

「バレたくないよね?」

「はい。します。デートします。」


若社長はニコッと笑うと私の頭を撫で撫でした。


「あれ?お兄ちゃん居たの?お茶いる?」

「うん。お願いして良いかい?」

「うん!ちょっと待っててね‼」


萌恵が若社長の分のカップをとりに行ったのを見送ると若社長は私の耳に顔を近づけるといった。


「萌恵には内緒ね。後でメールする。」


私は理解出来ずにコクコク頷いた。

頭が理解したがらない。

どうすれば良いのか解らないまま萌恵が戻ってきてハーブティーをすすった。

その時のハーブティーの味は一生思い出せないと思う。

あれ?若社長はヤンデレじゃ無いはずだよね?

おかしいな~。

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