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春男の収穫

春男の収集


春男の趣味は基本的には何かを見に行くことが多い。それが、一体どこでやってるんだと、どこでそんな開催の情報を手にいれるのかと突っ込みたくなるようまものでも、春男は出かけていく。それだけが、ほとんど唯一と言ってもいいだろう、春男の趣味・・・・・だったはずだった。


ところが。

や、その前に、春男の家はフローリングがしてある。どうしんてこんなにボロ・・・・・・いや、古い感じのアパートの中が、こんなにキレイなのかは大家さんがアパートを一般人に貸し出すにあたって、行った事のようだ。


 そして、春男はそんな家のなかでスリッパをはいて過ごしている。床の吹き掃除が面倒だということのようだ。

そして、オレの分もいつのまにかある。何が言いたいのかというと、スリッパを履いているのに、踏んで痛いと言えるほどのものをオレは踏みつけていたようだ。

「いてぇ。・・・・・・なんだ、これ?」

「おお?あ、それ、ボタン。まだ落ちていたのか。」

「なんで、ボタン?ってゆーか、おまえ、これなんの服のボタンだ?なにかの目玉か?」

どうみても、ボタンの部類に入らないような見た目をしているが、後ろを見ると、やっと納得が少しはいった。糸を通すところがあるのだ。

ぬいぐるみのめだまにでも使えそうだ。

「お前、これ、どうしたんだ?」

「買ってきたんだ。ほら。」

そういって、春男が開けた箱の中にはいかにも、というものからどうしてこれがボタンなんだというものまである。オレは自分が踏んだやつを中に入れた。

「こんなに買ってきてどうするんだ。使うのか?」

「うーん・・・・・・趣味?」

「趣味?!お前に趣味?!ボタン収集がか?」

「・・・・・・わかった。じゃ、資料用でいい。」

オレの追求に?春男はしぶしぶと意見を変えた。

「いや、べつに、趣味でもいいけど、どういたんだ、これ。」

「買ってきたんだ。でっかいボタン屋で。」

「なんのために?」

「面白いかと思って。」


 オレは唖然とした。

それだけだった。とくに、今、書いている作品の中にボタンが出てくる事もなければ、ボタンを主人公にした作品もできているわけでもなかった。いや、別にボタンを主人公にした話が読みたいわけというわけではない。

しかし、それにしては量が半端なく多いのだ。

こういう、なんでもないようなものが春男の家にはちょこちょこある。

シールだったり、切手だったり、写真だったり、ブックカバーだったり、あやしげなお守りだったり、資料のファイルだったりと、そういう細かいものがある。しかし、はっきりいって、邪魔だ。少しなら、諦めがつくものの、そんな量ではない。

そのうち、こっそり持っていって、春男の専用の倉庫にしまってしまおうとオレは思った。他のものはもうしまってある。春男は気がついていないようだが。

春男の記憶力で、いつまでボタンがあるかを覚えていられるだろうかと考えて、二ヵ月後には倉庫にしまえるとオレは思った・・・・・・。


 オレは今、春男の家に来るたびに、いつその箱を持ち出そうかということばかりを考えていたりする。箱の上につもる埃を見ながら、オレはぼんやりと考えているのだった。


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