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第二話-はい、代理立ちました。by.ミズ

三人が異世界に来て最初の朝を迎えた。昨日の王の間には国王と三人娘と女王、そしてミズとソウがいた


「もう一人はどうした?」


「さぁ?」


「国王様!あの方の部屋にこれが」


「手紙?…『風を浴びてくる』…風?」


フユを呼びに行ったメイドから置き手紙を渡された国王は手紙を読み、首をかしげた


「ここらで高い所はどこですか?」


「それなら寝室の塔の上だと思います」


二人はメイドから聞いた場所に向かった


塔の上にフユは寝ていた。


「見つけた。」


「ほら行くよ」


「んんー……スッキリしたよだいぶ。もう大丈夫だ。国王待たせてるみたいだし、行くか」


三人は塔を降りて謁見の間に戻った

フユは女王を初めて見たため首を傾げていた


「その方は吹っ切れたようだな」


「いつまでもグダグダしてらんねぇよ。郷に入れば郷に従え。ここの生き方してやんよ。それに俺の名前はその方じゃねぇ」


「その方ではないと言われてもワシもお主らの名を知らぬからの」


「昨日の仕返しか……」


国王の安堵が含まれた質問にフユは不敵に笑いながら答え、その方呼びを辞めるように遠回しに言ったら昨日のフユの如く言い返され、肩を落とした


「そう言えば俺達自己紹介してなかったね」


「誰からする?」


「ならばそこの銀髪の主から頼む」


自己紹介してなかった事を思い出し、順番を決めていると国王から指名された。国王の視線の先に居たのはフユだった。


「は?銀髪?何行ってんだよ?この黒髪が見えねぇのか?」


「己の髪を見てみよ」


「え……銀髪だ……」


「ミズは青いぞ!?」


「ならソウは……」


自分の髪の色が変化している事に驚きパニックになっているフユはミズの髪を確認したあとでソウの髪を見た。ミズは青色、ソウは………黒髪だった


「「裏切り者ー!」」


「いや知らないよ!?」


「とりあえず俺の名前は東夜(あずまや) 冬来(ふゆき)だ。フユがあだ名だ。フユでいい。」


諦めたように一息ついてフユは簡単な自己紹介をした。


如月(きさらぎ)翠葵(みずき)です。あだ名はミズです。」


睦月(むつき)颯大(そうた)です。あだ名はソウ。」


それぞれが簡単に自己紹介をしたところで女王が口を開いた


「皆様の昨日の御活躍は耳に致しました。改めてお礼申し上げます。」


「礼される筋合いねぇよ。俺達は勝手にやったんだ。ここの為とかそんな正義感は0だよ。礼なら死んだ勇者や兵士に言ってやれ」


「フユ、礼儀ってわかる?」


「知ってるが?」


「ならちゃんとしようよ」


「それで、皆様には我が娘達の婿になっていただこうかと」


「断る。」


「フユ……」


初めから変わらない無礼に価するフユの言葉にソウとミズは呆れていた


「……なぜですか?」


「そう怖い顔すんなよ女王殿。俺達は勇者にあらず、ただの巻き込まれだ。結婚なんざ考えたことねぇし、政治なんざまっぴらごめんだ。そんな俺達に王女様の様な方々は似合わないよ。」


「あら意外とお考えでしたの?」


「ただのいい訳だよ。」


フユと女王の会話が一息ついたとき、ミズがゆっくり口を開いた。


「国王様。私達は旅に出ようと思います。」


「なぜじゃ?」


「勇者が死んでしまったのなら見届けた私達が勇者の変わりをすべきかと思います。……とフユが言ってました」


「おい!言った覚えねぇぞ!?捏造すんな!」


「なるほどの、ならば、頼めるかの?」


「「はい!」」


「関係ないな。俺達はどうせこの世界で暮らすんだ。なら日常の妨げは排除するだけだ。別にあんたらの為じゃない」


「でましたフユのツンデレ節」


「今日も決まっておりますな」


「お前らなぁ……」


「ではお主らに武具の餞別をやろう。何か欲しいものはあるかな?」


国王の提案に三人は少しなにが必要かを考えた


「自分は杖とローブが欲しいです。」


「自分は軽目の防具と弓矢を」


「俺はナックルガードのついた小太刀と野太刀、後は篭手とレガースだ」


「あいわかった。それらができるまではここで準備しなさい。それと馬もよこすため、乗馬訓練もしとくといい。」


「「「ありがとうございます」」」


それから一月がすぎ、三人の旅支度も終わり、出発を明日に控えた三人は、夜中王宮の中庭にいた


「あれ?二人共」


「眠れなくてね」


「似たもん同士だな」


三人は芝生に座りこみ、少し雑談を始めた


「あれから一月……」


「ついに旅か……」


「正直魔王軍と戦うとかイマイチピンと来ない……」


「風邪を引きますよ?」


「……女王様?」


「はい。皆様が見えたので来てしまいました。貴方方は巻き込まれただけなのに立ち上がり、旅にでます。私個人ですが思います。貴方方は立派な勇者であると。なので、頑張ってください。」


中庭に通じる扉から女王が現れ、三人に言葉をつげる。女王はそれだけを伝えると来た扉に戻っていった。


「余計な世話だっつーの」


「でもやる気はでたな」


「頑張ろうぜ」


三人はその場で拳を重ねあい、それぞれの部屋に戻った。

そして翌日、謁見の間には全員が揃っていた。


「この世界を頼むぞ勇者よ」


「勇者とかしらねぇ、俺達がやりたいからやんだよ。そこに変な責任感も義務もない」


「結構張り切ってますよ」


「三人で頑張ります」


「お父様」


「どうしたメイルよ?」


「私達も勇者様に同行いたします」


「なんと!!……覚悟はわかった。勇者達よ、頼めるか?」


娘達三人の決意に国王は驚いたがそれを認め、三人に同行を求めた。ミズとソウはフユを不安そうな目で見ていた


「断る」


「「だと思った 」」


「理由は簡単。足手まといだ。多少戦えても邪魔でしかない。だったらここで政治を学んでろ、俺らの帰りはここだ」


フユはそれだけ言うと1人先に謁見の間を出ていった


「あれはただの心配ですね」


「要約すると、俺達はここに戻ってくるからその時にいい国にできるように政治について勉強しといてくれって意味です」


「おーい!さっさといくぞ!」


「今行くよーそれでは。行ってまいります」


「頼んだぞ」


二人も謁見の間を後にした。今の謁見の間には王族のみがいた


「面白い青年達でしたね」


「王族だというのに無礼極まりない態度を変えぬ。大物になりそうじゃのう」


「私は今から政治について勉強いたします」


「おぉ、メイルはやる気だな」



三人は国王が用意した馬車に乗って国を出ていた。


「お前ら国王共に変なこと言ってねぇよな?」


「フユの本音伝えといたよ」


「うんうん」


「はぁ……とりあえず目的地はどうするよ?」


「最初は獣の国に行こうよ。」


「よし!目的地獣の国、ビダスニャータ!出発!」

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