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彼女の過ち
私は大きな過ちを犯してしまった…
自分の我が儘な気持ちで大切な人を大切な人であることを否定してしまった。
分かっていたことなのに…彼が彼であることを…彼は彼でしかないことを…。
なのに、求めてしまった。
繋がりを、確信を。
求めてはいけないものを…。
彼が彼であることを否定してしまった私。
彼に死の発作が起きると分かっていて放った言葉。
目の前の光景から目が離せない。
私ただただ彼の名を呼ぶけれど、彼の呼吸は浅くなり、だんだん体が冷たくなっていった。
そして――――……
彼の瞼は閉ざされたまま開くことはなかった。
「起きて…起きてよ…。」
…もう二度と、こんな愚かな行為はしないから、自分の疚しさになんか負けないから…
だから…だから――…
「とおやぁ…」
私の大切の人にもう一度暖かさを、体温を、命を…