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勝也が病院へ行ったのは決められた日の一日前だった。それでインスリンの減少が発覚した。つまり、和泉の立てた仮設とピッタリ合うのである。
私は、もしかしてと思い、和泉の合理的な説明を警察にしてみた。半ば疑ってはいたが、あまりにも辻褄が合いすぎるため、納得せざるをえなくなったのだ。
勝也はその証明に驚いたようで、すぐに自白した。目的は果たせたからこれで満足ということなのだろうか。彼は大人しくついて行った。だが、犯行の動機については、何も語らなかったという。
私は家に帰ると、和泉に電話をした。彼は信じられないという風だったが、どうやらご満悦のようだ。私は改めて、和泉の凄さを実感した。
「だけど勝也は、なかなか頭のいいヤツだったな。君の第六感が働かなければ、これは事件として取り扱われなかっただろうね。
でも、勝也はひとつ大きな過ちを犯した」
「何だ?」
「彼の捨てた紙袋に、インスリンが染み付いていた。それも大量だ」
「え? そうなのか?」
「ああ。俺が時間が欲しいと言ったのは考えるためじゃないよ。勝也の家を調べるためだ。君の家の隣ってことは知ってるからね。それで偶然、紙袋が捨ててあるのを見つけたんだ。凄いにおいだった」
「そうか。やっぱり和泉は凄いな」
「また何かあったら知らせてくれ。忙しい時でなければ、何でも受け付けてやるよ」