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またしても懲りずに推理っぽいものを書きました。
初心者なので当然下手ですが、よろしくお願いします。
すぐに終わると思いますが。
ことの始まりは、警察が私を訊ねてきたことからだった。
昨日、私の近所の家で人が死んでいた。彼の名は尾崎克。五十八歳。二十七で結婚したが、四十のときに離婚。十二歳になる息子は克の所に残った。息子は尾崎勝也。現在30歳。今でも彼は克のところに残っていて、家事や何かは全て勝也がやっている。
克は自室で死んでいた。窓も扉も鍵が閉まっていたらしい。つまりは密室だ。死因は血糖低下だという。それならなぜ私を訪ねてきたのか、いまいちよく解らなかった。殺人ではないのだろう、と警察の方に訊いてみたが、そうではなく、尾崎克との関わりがあったかどうかを聞きたいだけだと言った。全くないと私が答えると、警察たちは去っていこうとしたので、私が引きとめた。そして色々と聞き出した。以下は、私が聞いたものである。
尾崎克の死亡推定時刻は九時三十分。部屋の扉と窓には鍵がかかっていて、克以外の人間が立ち入った気配はなし。死因は先ほど述べたように低血糖だ。克は糖尿病を患っており、勝也もそうだという。
克の部屋は特に荒らされたようでもなく、何か物が増えていたり減っていたりしたことはないという。だからこれはただの事故だ。と言われていた。だが私は、この裏に何かが潜んでいると感じていた。根拠はない。何ともなしにそう思うのだ。
私はこれが気になって、後に色々と調べた。それをこれより説明する。
尾崎家の玄関のドアにはしっかりと施錠がされていて、窓も同じだ。鍵を壊されていたり、窓を割られたりはしていない。家の中に何者かが侵入した気配も全くない。克が死んだ頃、家には克一人だけしかいなかった。その日、家には勝也は帰っていず、克が家にある食材を使って一人で料理した。息子の勝也は仕事を終えた七時から十二時までずっと居酒屋にいたという。それを彼の友人たちや、店の従業員が見ている。彼らによると勝也は、アルコールを何杯も飲んで酔っていたという。殺人事件だと仮定してだが、これだと勝也は犯行を行うことができない。だから、無理矢理に殺人事件だと言っても、それを証明するものが何もない。あるものは私の第六感だけだ。
克が死んだ次の日、いつまで経っても起きない克を不審に思ったのか、勝也は警察に届け出た。父親の克は人によく恨まれるような人であったから、誰かが殺したのではないかと疑ったのだ。警察が来ると鍵のかかったドアを無理矢理壊し、中に入った。するとベッドに克の死体が横たわっていた。死因などを詳しく調べ、警察は殺人ではないと言った。それで勝也はなぜか安心したらしい。
以上が一連の流れだ。