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空模様  作者: 涼風 すず
3/3

第二羽 会いたい

「はぁ〜……」

 私は学校の机の上に突っ伏して溜め息をついた。

 あれから1週間がたっていた。

 あれからもあの屋上に何度も足を運んだけれど、一度もあの男の子には会えない。


「雪〜どうしたの? 溜め息なんかついちゃって」

 私がへこんでる様子を見て、友達の優が話しかけてきた。

 私の一番の親友だ。中学のころからずっと一緒。

「ん、何でもないよ。」「本当に〜? こんなに天気がいいのに雪が溜め息ついてるなんて珍しいじゃん」

 私はたいてい天気がいいときは気分がいい。

 だって、いい天気の空を見てると気持ちがいいから。

「本当に。ただちょっとね……」

「どこが本当なのよ。もぅ、何があったか話なさいな」

 優は名前のとおりすごく優しい子だ。

「ん〜…誰にも言わないでくれる?」

「もちろん。私が秘密の話ばらした事ないでしょ」

 そう、優の事は信頼できる……けど、私が恋愛したなんて言うとどうなるかな。

 恋愛の相談なんて一度もしたことないし……

「そうなんだけど……」

「もう、はっきり言いなさい!」

 優は私の態度を見てイライラしてるようだった。

 優なら大丈夫だよね。

「うん。何ていうか……私、恋しちゃったみたいなんだよね」

「っえ、本当に?」

「う、うん。」

「へ〜良かったね。で、どんな人なの?」

 正直ビックリした。優は絶対に笑うと思ってたから。

 なのに、良かったねなんて言ってくれるとは……

「え、いや……どんな人って聞かれても、よく分んないから」

「どうして? 身近な人じゃないん?」

「うん。一度しか会ったことないから……」

「そっか。だからそんなにへこんでるんだ」

「え、うん」

 またビックリした。

 優は、いつもは明るくちょっとふざけた様に話を聞く。

 でも、今日は様子が変だ……なんだか、一緒にへこんでいるみたい。



「ねぇ? 何かあった?」

 つい聞いてしまった。

「っえ? 何で?」

 優は凄いビックリした様子だった。

「いや、なんか違う感じがしたからさ」

「さすが、雪。大当たり〜」

 やっぱり何かあったんだ。

「どうしたの?」

「ん〜…ちょっとね。それより、今は雪の恋の話でしょ」

「私の話はいいよ。どうしたの?」



 そう私が言うと優はゆっくり話始めた

「いやさ、彼氏が……」

「うん」

 私は小さくうなずいた。

 優が凄くへこんでるのが分ったから。たぶん今まで無理に明るくしてたんだ……

「どっか行っちゃったんだよね。1週間前に会って、それから連絡とれなくなっちゃって」

 そう話した優は凄く悲しそうな顔をしていた。

「そうなんだ……どうしてだろうね」

 なんて言えば良いのか分らなかった。

 優は彼氏さんと凄く仲が良かった。高校を卒業したら結婚をする約束までしていたらしい。

「分らないんだ。一週間前は普通だったんだよ。明日も会おうって……」

「じゃあ、事故とか? そういうの調べた?」

「うん。色々調べた……勝の家にも行ったの。でも、勝のお母さんも分らないって……」

 (まさる)……彼氏さんの名前かな?

 家族ぐるみで仲が良いって言ってたし。

「そっか……でも、きっと大丈夫だよ」

「なんにも確証ないけどさ。でも、絶対に大丈夫だって」

 このぐらいしか私に言えることはなかった。

 いつも幸せそうに彼氏さんのことを話す優を見てたのに……頼りにならないな私。


「ありがと……雪が居てくれてよかった。雪も辛いだろうけど、絶対にまた会えるよ」

 そう言って優は泣いた。

 優の辛さを分ってあげる事はできないけど、絶対に私より辛いんだろうな……


「……会いたいよぉ……」

 そんなことを考えてると、優が泣きながら呟いた。

「……うん。そうだね」

 私もそれに応えるように呟いた。




 神様。

 もし居るならば、優と彼氏さんを会わせてあげて下さい。

 そして、もしよければ……私とあの男の子も会わせて下さい。


 私は、いい天気の空を見ながら心の中で願っていた。

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