表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕達の異世界生活  作者: 真島 真
What is this?
77/102

第69話『クラスメイツ(4)』

新感覚!!生活感が滲み出るスライム!!





さて、皆さんが期待しているであろう我が校の授業風景ではあるが、いたって普通である。たまに、一が『最強』と呼んでいる光賀が、体育の授業で野球をした際、打ち返したボールで数人まとめてノックアウトしたり、校舎を破壊したりはしているが、それを除けば普通の授業風景と言っても過言ではない。うむ、言ってて思ったのだが、普通ではなかったようだ。どうも私の感覚も麻痺してきているらしい。

何はともあれ、時間はあっさりと過ぎるもので、あっという間に下校時間だ。今日は部活の日ではないので、早めに帰る事にする。もちろん、今朝無くなってしまった卵の買い出しもついでにして帰るつもりだ。

しかし、校門を出た所に彼女は居た。メタフィクション的ではあるが、「やっぱりな」と思ったのも無理もない事であろう。そう、彼女である。まだ早朝と言ってもいい時間に、我が3-Aの教室に不法に侵入していた、黒井真央という名前以外謎に包まれた少女である。まぁ、名前以外聞いていないのだから当然の事なのだが。


[おや、君は・・・]

「こんにちは」

[あぁ、こんにちは。ふむ、誰かと待ち合わせかね?]

「いえ、あなたを待っていたんです」

[・・・ふむ?]

「立ち話もなんですから、歩きながら話しましょう」

[まぁそれはいいが、買い物によってもいいかな?]

「えぇ」








私は今、学校から家に帰る途中にあるスーパーに来ている。もちろん、朝切れた卵を買うためである。


「卵、ですか?」

[なんだ?卵を買う事がそんなに不思議かね?]

「分かってて言ってるでしょう、それ」

[そうだね、ははははは]

「あ、笑う時は文字が震えるんですか」

[うむ、そうだ。ちなみに、怒る時は文字が強く激しく振動し、笑う時は弾むように、なく時は文字を出しながら体の、目は無いが、人間で言うとおおよそ目があるであろう位置から粘液を流すことで感情を表現している]

「い、意外と細かいんですね。それをいちいち表現するのって面倒じゃないですか?」

[いや、もうこれが私にとっての「言葉」なのでね、君たちが普通に話すのと同じように思い浮かべるとこうやって出てくるのだよ]

「あー・・・そうなんですか・・・?」

[まぁ、理解しがたいだろうがね、そういうものだと思ってくれればいいよ]

「はぁ」

[で、君の私に対する用と言うのは、いったいなんなのだね]

「え、っとぉ・・・それは、ですね。今朝探っていたのが、あなたの事なんですよね」

[うむ、それはこちらも承知している。そもそも、あそこは私の席なんでね]

「それであなた直々に説教されて、アドバイスまでされては、直接話を伺わなければいけないなぁ、なんて・・・」

[・・・ふむ]

「あの、怒ってないんですか?」

[何がだね?]

「机を勝手に見た事」

[怒るも何も、あの場で怒ったじゃないか。しっかり、文字も強く振動していたはずだが?]

「あ、そうだったんですか。知りませんでした。・・・その、すいませんでした」

[許そう・・・あ、そういえばボディソープも切れていたな、買っておこう・・・で?]

「その、用事と言うのはですね、あなたに助けてもらいたいんです」

[詰め替え用・・・む、こっちの方が安い・・・何?・・・シャンプーだと?]

「シャンプーじゃないです」

[シャンプーはこっちの話だ・・・何を何から助けてもらいたいんだ?・・・やはりいつものを買うか]

「世界を戦争からです」

[無理だな。戦争なんか、もうとっくに起こってしまっている]

「この世界じゃありません、もっと別の世界を、です」

[多世界理論か]

「知っているんですか?」

[ああ、『博士』から聞いているし、何より私自身経験しているのでな]

「経験?」

[私は『前』、この世界の住人ではなかったし、こんな姿でもなかったという事だ]

「前世・・・ですか」

[あぁ、『前』の私が死んだときに『神』にこの姿にされ、そしてここに居る]

「神に・・・」

[まぁ、それは置いておいてだ。・・・君の頼みは私には答えられない]

「なぜです?」

[それはそうだろう。家族もいるのに、はいそうですか、とそんなあからさまに危険な物には飛び込みたくないのでね。・・・そういう事は『ヒーロー』か『最強』に頼めばいい、あぁ、『仮面遣い』、一と言う少年も正式な依頼となれば力を貸してくれるだろう]

「・・・出来ません」

[なぜだ?]

「今、洲羅さんが挙げた方たちが・・・原因だからです」

[何だと?・・・ふん、嘘が下手だな。彼等がそんな事をする筈がない]

「いえ、言い方が曖昧でした。彼等が来た事、それ自体が原因だからです」

[いやいや、ちょっと待て。その言い草、既に彼等が君の言う『別の世界』に行っている様ではないか、と言うか、彼等とはさっき別れたばかりだぞ]

「その通り、もう既に事は動き始めているんです。と言うよりも、今動き始めた、と言う感じですね」

[それに、人数人が世界を移動した位で戦争が起こるものなのか?]

「そうですね。普通の移動ならそうはならないでしょう、しかし、これならどうです?」

[・・・]

「<勇者召喚>」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ