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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
59/102

第57話『<祝福の儀>(1)』


「・・・はぁ、はぁ・・・なんとか・・・何とか間に合ったわね」

「そうですね」

「なんであなたはそんなに平然としてられるのよ!!」

「まぁ、体力位はありますから」



そんな会話をしているのだが、自分には一つ気がかりな点がある。姫様は自分の事を『あなた』と呼んでいる。夫婦か!!と突っ込みたい訳ではない。姫様は前までは自分の事を『あんた』と呼んでいたはずだ。そのことから、何やら距離感を感じている。多分、この<祝福の儀>や自分が『勇者』ではないか?という疑問から来るものだと思われるが、少し寂しいものがある。単に苛め過ぎただけだったらいいが。



「遅かったじゃないかレア」

「それじゃ生だから兄さん、普通に呼んでよ」

「冗談だ。エレア遅かったな」

「それもこれもこいつが・・・って居ない!!いつの間に!!あいつ!!」

「まぁまぁ、後で良いじゃないか。もう直ぐ始まるよ<祝福の儀>が」

「そうね。あいつは後でフラフィさんに頼んでとっちめてもらうことにするわ」

「そうかそうか、はははははっ」











ブルッ。今どっかで死亡フラグが立った気がする。

そんなことはさて置き、<祝福の儀>である。<祝福の儀>は王城より徒歩で十五分、馬車で二十五分という何とも微妙な所にある、なんかよく分からない神殿で行われる。なんかよく分からないというのは、この世界でも宗教があるにはあるのだが、神殿を使う要素が余り無かったりする宗教が多いからだ。それでもやはり、神殿というものは中でも別格らしく、とても神々しく造られている。のだが、やはりこれと言って突出した宗教が無い為に、何々の神の像という物が少ない。なんでも、自分は持っていないがギルドカードという代物には『○○神○○の祝福』と書かれる事があり、個人はその神を崇拝の対象にすることが多いのだとか。<祝福の儀>と言うのは、この世界の人間は産まれたときにほとんどの人間が受ける儀式で、文字通り『祝福』が受けられるかも・・しれないものである。

そして、今回『勇者』である『最強』さんが、その<祝福の儀>を受けるのである。まぁ、この<祝福の儀>には『勇者』として相応しいかどうかを見定める意味合いもあるらしい。

そんな注目の<祝福の儀>に集まるギャラリーは多い。一般人から、権力者までまるでゴミのように。自分もそのゴミの一部として『光の勇者コーガ』の入場を待っている訳だ。



「なぁ、『勇者』ってどんなのだと思う?」

「そりゃあ、かっこいい男の人じゃないの?」

「え?男?女って聞いたんだが・・・男かよ・・・え、マジで男か?」

「知らないわよそんなの」

「なんだ・・・じゃあそんなこと言うなよ」

「あんた女だったら、どうするつもりだったのよ」

「そりゃもちろん、ナンパだろ」

「何よ・・・私はあんたの事が」

「お!!来たみたいだぜ!!」



何やら面白い会話が聞こえたが、間が悪いことに噂の『勇者様』が入場してきた。

わっと沸き起こる声援、歓声。



「キャー!!勇者様ーーー!!」

「勇者!勇者!!勇者!!!」

「女だ!!しかも超美人じゃねえか!!」

「もう!!知らない!!」

「何だって!?」

パン!!

「馬鹿!!」

「え?何?どういう!?おい!!ちょ、どこ行くんだよ!!」

「勇者様ーーー!!私を抱いてーーー!!」

「わあぁぁぁぁぁぁ!!」



なんか、ヤベェ。もう<祝福の儀>とかどうでも良くなるほど、あの男女の事が気になる。自分の周囲にいる人達もどうやら気になっていたようで、頬をビンタされきれいなもみじを作っている男に周りにいた人が話しかけている。見ていると、だんだんと男の顔が真剣な顔へと変わっていく。その男は周りの人にお礼を言うと、神殿の外へ走って行った女を追いかけて走って出て行った。うん、自分と周りにいた人は頷き合うと『勇者』の方へ目を向けた。






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