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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
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第43話『ゼイスさんと影鷹君の話』




「そういえば、影山君と田中君は何してるの?帰る方法を探すのは当たり前として」

「チャーハン」

「チャーハンは別」

「そうなんだよ、それだよ!!俺は『賢者』を探して北を目指してんだよ、『賢者』なら帰る方法を知ってるんじゃないかと思ってな」

「『賢者』を?」

「それなら知ってるわよ」

「何だって、犬耳っこ!?」

「って言うかソコでチャーハン食べてるし、それに犬じゃないわ、狼よ」

「ふむ?なんじゃ?儂になんか用かね?」

「犬じゃなかったのか・・・・・・あなたは『勇者』、佐藤さんの知り合いみたいで、俺も、いや俺達は佐藤さんと同じ、異世界から来たんです。俺と佐藤さんは<召喚>で呼ばれたのと、カオルやこの田中みたいに『穴』に落ちたのと差は有りますけど、異世界から来たのには変わりありません。何か知らないでしょうか?」

「あー・・・残念じゃが、儂等もソレで王都に戻ろうとしていたんじゃよ」

「そう・・・ですか・・・」

「そう気落ちするな、儂等の、『勇者』のパーティーの殆どがまだ生きておる。彼等に会えば何か知っておるかもしれん」

「その、『彼等』は何所に?」

「エルフの里、ドワーフの街、ドラゴンの島、魔王城、ここに居るのは確かであろう。後は、世界中を巡って旅をしておるから所在は分からぬ、しかし彼も人ではない故、様々な噂が飛び交っているであろう、その噂を辿って行けば会えるやも知れぬ」

「分かった。エルフの里ですね?とりあえず、そこから行ってみます」

「おぬしは、エルフの里の位置は分かっておるのかね?」

「それなら大丈夫です。田中、地図」

「ほいよ」




そう言って、田中君は制服(こんな状況ですら制服を着たままだ!!)の内ポケットから紙を取り出し、影山君に手渡した。




「多分、この森の中にある、この赤い印の場所でしょう?」

「なんと・・・!!これは・・・また・・・」




その紙は、地図であった。しかも、どう見ても地球の世界地図ではない。という事は、これはこの世界の世界地図である、という事だ。初めて見た、これが・・・この世界の形・・・。僕が『穴』に落ちてこの世界に来たとか初めて聞いたことがあるけど、それは今は無視しよう。




「これ程精巧な地図をどうやって?『勇者』も作っていたのじゃが・・・」

「そのうち出来ますよ」

「その方法は、教えてくれんと・・・そう言う事じゃな?」

「『勇者』の方法とは違うとは思いますけど・・・まぁ、別に教えてもいいですけどね・・・その方法だと、普通にやるとこの位の規模の地図になると、一生かかっても無理だと思います」

「要するに君達は、普通でない方法で作ったと」

「ご想像にお任せします」

「ふむ、位置はその赤い印のある位置で会っておる。しかし、エルフの里には強力な結界が張られておる故、外の人間には入れんようになっておる」

「それでは、どうやって」

「まぁ、そう焦るな、君にコレを預ける」

「・・・これは?」



影山君に渡されたのは、緑色の宝石がはまった金のブレスレット。




「エルフの里に入るための身分証の様なものじゃ、それとコレ、儂の紹介状、これがあれば良くしてくれるじゃろう」

「何から何まで、ありがとうございます」

「よいよい、儂等の縁は深いものじゃからな」

「はい?」

「いやなに、こっちの話じゃ」

「・・・そうですか」










「ちょっといいかな?影鷹君」

「何だカオル?」

「ちょくちょく分からない単語が会話の中にあったんだけど?」

「何の事だ?」

「<召喚>とか・・・『穴』とか・・・何なの?」

「<召喚>は・・・そうだな、ちょっと待ってくれ。おい、田中」

「ハイ!!チャーハン一丁銅貨十二枚だ・・・・確かに、まいどありー!!・・・・・・っと、はいはい、何でしょーかー?」

「今、田中の【支配】網に掛かっている3-Aの皆に伝えてくれ。今夜、会議を行う」

「会議?何故?どうやって?」

「3-Aの、いや、ウチの学校の奴は頑丈だから何をしても大丈夫だと思うが、帰れないのが不安で、無茶する奴が居るかもしれん。俺達に今必要なのは情報だ。何をするにしても情報が少なすぎる。と言っても、各自状況報告ぐらいでいいと思うな。多分、光賀が帰る方法の目途ぐらいは付けてるだろう。その言葉を聞くだけでもだいぶ楽になるだろう。どうやっては、お前の能力を使ったら出来るだろう」

「ん、分かった」

「と、言う事だ。分かったかカオル?夜、時間を空けておいてくれ」

「え、いきなりなに!?大丈夫かな?いい?フェリシア」

「別にいいけど・・・・・・何所でするの?私はあんまり夜にカオルを外に出したくないんだけど?」

「それもそうだな、カオルは襲われかねないしな・・・・・それなら、カオル達の泊まってる宿でやる、ってのはどうだ?」

「それでいいわ」

「よし、なら宿の名前を教えてくれ、夜に行くから」

「『木の葉亭』よ、分かる?」

「あぁ・・・あそこに泊まってるのか・・・あの・・・何とも残念な・・・」

「そうなんだよ、あの残念な・・・だよ」

「残念?」

「そうか・・・まぁ、とにかく十時ぐらいに行くから、そういう事で」

「うん」

「うし!!昼飯も食ったことだし、仕事に行ってくる」

「影山君って仕事何してんの?」

「冒険者だよ、気楽だからな」

「冒険者・・・それは・・・」




カッコイイな・・・羨ましいな・・・。と言う思いが、僕の中で駆け巡る。僕はその中に、妬ましい、と言う感情も入っている事を知っている。だけど、人間これぐらいの思いは、誰しも持っているだろう。気にする事は無い、僕は弱い、この危険溢れる世界では、生きている確率よりも、死ぬ確率の方が多いだろう。そんな思いを抱きながら、影山君を送り出す。




「行ってらっしゃい」

「じゃあな、また後で・・・と言いたいがカオルに一言、お前は弱くなんかない、俺が保証する」

「・・・っ!」




見抜かれ、見破られ、見透かされる。更に、そんな僕の、黒々とした気持ちを知りながら、なお優しい言葉をかけてくる。本当に・・・影鷹君は・・・。




「じゃあ、改めて行ってくる」

「うん!!」




今度は、ちゃんと笑顔で送り出せただろうか?




「ぶっ、その笑顔は反則だろう!!」




と、叫びながら影鷹君は走り去って行った。




「・・・え?皆?」




皆が鼻血を出して、倒れている。どうしてだろうか?市場に居る多くの人が倒れている。一体何があったというのだろうか?







人物設定でも書こうかと思っている、今日この頃。




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