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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
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第36話『海藻~間違えた、回想~』




「ちょちょちょちょちょっと待って!!」

「何言ってんのあなた?」

「いえ、少しふざけただけです・・・・・・それで、何でしょうか?」

「あなた、私と手を組まない?」




ホイ来た、直球ど真ん中!!




「手を組むとは?」




上手くいきすぎて、笑いそうになるのを堪えながら言う。




「私付の使用人になれってことよ、後何ニヤニヤしてんのよ」

「っ!?・・・・・・すいませんつい、思い出し笑いで」

「思い出し笑い!?この状況で!?」

「すいませんップッククッアハッアハハッフゥーーーーーハハハハハハハァ!!」

「すいませんと言いつつ大爆笑!?しかも最後悪役笑いだし!!」

「ふむ、それで?」

「切替早っ!!それでって何よ?」

「姫様付の使用人になることで、私に何のメリットがあるんですか?」

「う・・・う~ん・・・それは・・・」




やっぱり考えてなかったか、ならまだ隙があるな。

ここでの姫様側のメリットは、自分の秘密を知っているという事、それに自分から日本語を教えて貰えるという事だ。




「なら、私から条件をお出ししましょう。ソレを守ってくれるならば、姫様の使用人になりましょう」

「条件?」

「きっとこの国には、王族、もしくは王族の認めたものしか入れない場所が在るはずです。そこに自由に、とまではいいませんが、入る権利を頂きたい」

「いいわよ」

「え?」




ダメもとで言ったのに偉くあっさり許可されてしまった。




「その代り私からも条件があるわ」




なるほど、そう言う事か。

どんな|難題(面倒事)が待ち構えている?




「はい」

「私と一緒に学校に行って!!」

「はい?」




学校?何故?




「なによ!!この条件が飲めないっていうの!!」

「いえ!!分かりました。それでいいです」

「じゃ交渉成立ね」




そう言って差し出される手。




「?」

「?ニホンには握手無いの?おかしいわね・・・あったと聞いてるんだけど」

「いえ!!ええ、ありますとも!!」




手を握る。




「よろしく」

「こちらこそよろしくお願いします」




いやはや、自分には詩的センスが全く無いものだと思うけど、『お転婆姫』の笑顔はとても明るく、向日葵の様だった。

あ、名前聞いてない。










医務室から出ると、病院の待合所に在る様な長椅子に、大臣の息子さんが座っていた。




「あら、待っていてくれたの?」

「当り前です!!」

「別にもう帰ってくれても良かったのに・・・・・・」

「そんな事出来ません!!こんな得体の知らない奴と姫様を二人きりにして置いていくなんて!!」




そう言って、まるで親の仇を相手にするかの様なものすごい形相で睨んでくる大臣の息子、え?何で?何でそんな睨んでくるの?確かに得体のしれない奴かもしれないけどさぁ。




「そんな顔しないで下さいよ、大臣の息子・・さん、綺麗なお顔が台無しですよ」




息子をあえて強調したのは、彼が大臣の息子でしかない・・・・・・・事を分からせるためだ。この国には貴族や世襲制などと言う制度は無く、あくまでも実力主義である。それゆえに、・・・・・・って言うかなんだかんだ言っても親が権力を持っていても息子には全く関係のない話なのだ。親が大臣や議員だと、親が仕事を居やすいように、城や議会場近くの邸宅に住まわせてもらえる。ただそれだけ・・・・の事だ。

しかし、王族は違う、王族はこの国の成人年齢より権力を持っている。

その代りに、王族はまだ小さな頃より国を治めるための教育を徹底的に受け、なおかつ国の現状を見るために、護衛はあるものの危険な旅に出たり、庶民の生活を知らなければならない、と言う理由で農民や商人の家で暮らしたりしなければならない。言っちゃえばそれだけの働きをしているのだ、この『お転婆姫』も、どれ位お転婆なのか良く分からないけど。




「くっ!!」




自分の意図する事が分かったのか大臣の息子さんは苦悶に顔を歪めている。




「ほら、私はこの通り大丈夫です。だから、心配しないでください」

「ですが、姫様!!」

「大丈夫です」

「くぅっ!!・・・・・・お前、覚えておけよ!!」




そう言って、どこかに去って行く大臣の息子。

何でそんな捨て台詞吐かれないといけないの?自分別に大したことしてないよね?

それより一国の姫相手に挨拶も無しに帰るとか失礼じゃない?














「・・・・・・・はぁ」

「どうされました?」

「あいつ、メンドくさいよね、事あるごとに、姫様、姫様!!って」

「はは・・・それより、何で私に接するときは猫被らないんです?」

「あんた相手じゃ、多分猫被っても無駄かと思ってね」

「それはそれは、光栄の極みです、姫様」

「まっ、またバカにしてる!!牢獄にぶち込むわよ!!」

「お~それは怖い、失礼いたしました、姫様」

「治す気無いわね!!それに、私にはエレアノール・アビヤヌス・ソロモン・サトーって立派な名前が あるの!!姫様なんて呼び方やめて!!」

「エレア・・・長っ!!呼びづら!!もう、略してエアソーサーでいいですか?」

「あんたって本当に無礼ね、それだと空気皿みたいな感じになるから止めて」

「じゃあ、エア」

「空気になった!!」

「エ」

「もう、名前なのか文字なのか分からない!!」

「E」

「ただの頭文字!!」

「まだ不満ですか、仕方ないちゃんと繋げますよ・・・・EASS、イースでいいですか?」

「イースでいいですか?じゃないわよ!!もう、普通に読んで普通に!!」

「姫様」

「あぁもう!!振出しに戻った!!」

「天丼はお笑いの基本だよね」





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