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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
34/102

第34話『回想~登場!!お転婆姫~』




なんかヒフミ君がただの変態になった気がする。








とまぁ冗談|(?)はさておき、無駄な会話をしていてもここの廊下は異様に長い。

今の会話もほとんど向こうには聞こえていないだろう。

することとは、掃除していたのを素早く片付け、礼をすることである。

やはりこちらの世界でも、礼をする時の角度、姿勢等、厳密に決まっているらしい。

腰を折る角度は30度とかそんなんである。多分。きっと。

うむ、自分の記憶ですら曖昧だ。




「早くしなさい、敬礼です」

「ハイ」




敬礼とは、あの手を頭にビシッとする奴じゃない。

アレは軍隊の敬礼だ。こちらの世界でも軍隊の敬礼は手をビシッとする奴だ。

コレもまた勇者サトーの残したモノである。

何やってんだサトー。

メイド、執事など使用人の敬礼は、いわゆるジャパニーズO☆Z☆I☆G☆Iだ。

何やってんだサトー!

ちなみに、メイド服、執事服も勇者サトー考案である。

何やってんだサトォォォォォォォ!!




「はぁ、はぁ、はぁ」

「どうしたんですか?」

「イエ、別に大した事ありません・・・」

「そうですか?ならいいんですが・・・」

「チョット、お辞儀した時に見えるフラフィーさんの足に興奮してるだけですカラ」

「前言撤回します、歯を食い縛りなさい」

「エッ!?チョっとマっ」




急に暗くなる視界、顔に感じる柔らかい感触、これは・・・手か。

今自分は、アイアンクローをされているのか。




「フッ、アイアンクロー如きじゃワターシは倒せませんよ」

「四つ、言わせていただきましょう。

まず一つ、何様ですか貴方は。

二つ、これはアイアンクローと言うのですか、初めて知りました。

三つ、それにまだ終わりじゃありません。

四つ、遺言はありますか?」

「ナン・・・っておいしいよね」

「遺言はそれでいいですか?」

「いい・・・くない!!良くない!!死にたくない!!」

「もう、遅いです。さようなら」




そう言い終えると、自分の顔にかかっている圧力はさらに強くなる。




「ぐぎ!?頭蓋骨がっ!!ミシミシっ言ってるっ!?」




痛い!!猛烈に痛い!!!顔が取れる!!

だが、それで終わりではないのがフラフィーさん。

何所にそんな力があるのか問いたくなるような腕力で持たれている顔に、新たな力が掛かる。

その力とは、顔を支点に下に掛かる重力。

そう!!自分は今持ち上げられているのだ!!

それはもう、手足がプランプランするぐらいだ。

そして、この状況ですんなり降ろしてくれるほどフラフィーさんは優しくない、

ならば、残る選択肢は『叩き付けられる』のみである。壁か、床に。





「さっき磨いたバカリなので、壁はやめて下さイ」

「却下します、今から床と壁が汚れますが貴方が掃除しなさいね」

「両方!?待って・・・ガッ!!」




壁に叩き付けられ、目の前に星が飛ぶ。

ここで『待ってくれ話せば分かる』と言おうとしていた、自分のネタに対する執着に驚く暇もなく、壁から離れる。

世界が回るような感覚と、風を切る音が聞こえ、瞬間床に叩き付けられる。

そして、流れるような攻撃をしたであろう、フラフィーさんのスカート際のキワドイ所を見たのを最期に、自分の意識は途切れる。













※ここからは三人称視点でお送りいたします。




なんてね。

だけど立てない、後頭部に致命的なダメージを受けた直後で立てる程、自分は頑丈ではない、だが、意識が途切れるのが一瞬だけというのは、やはり自分も人間離れしている証拠なのだろう。




「・・・ぐ・・・う」




まさしく、グウの音も出ないとはこの事か。いや、違うか。

手足の先の感覚が無い、もしかしたら神経がイカレているのかもしれない。

ふむ、死なない程度に痛めつけるとは、フラフィーさんもなかなかやり手である。

もしかしたら、フラフィーさんはとても強いのかもしれない。いやいや、『かも』じゃないな、フラフィーさんは確実に『強い』それも、自分の知る中でもトップクラスである。もちろん、トップは『最強』さんだ。




「ちょっとあなた!!何やってんのよっ!!」

「これはこれは姫様、少し不届き者に教育・・をしてたまでです」

「これが教育!?教育ですって!?あなた良くそんな事が言えるわね!!!

 あぁ、こんなにも血が!!死んでるんじゃないでしょうねコレ!!」

「それは大丈夫です。人も強さを見抜くほどの『眼』は私も持っておりますので」

「でも!!・・・」




そこに聞こえてきた勝気な声、自分は今うつ伏せに倒れている。(床に叩き付けられたときは仰向けだったが、今は通行の邪魔になるかなんかで、端にどけられているのだろう。)なので、姿は見えないもののフラフィーさんが『姫様』と言っているから、この声の主は『最強』さんが以前言っていた『お転婆姫』なのだろう。

いやはや、流石である。あのフラフィーさんに口答えするとは。

突然話が変わるが、この城の中のパワーバランスの話をしようと思う。

この城の中で今知る中で、力を持っているのは『勇者』であり『最強』である光賀さん、持っている力といえばそのまま『最強』な 力と『勇者』に関するネームバリューがある。

『王様』であるアビヤヌス・ソロモン・サトーは、まんまこの城一番の権力者だ。

『騎士団長』であるセマクヤ・タルタク・アクシャフ、『騎士団』と付いてはいるがここの騎士団は戦力を王に集中させないために国民に忠誠を誓っているとか。

国民の代表である『大臣』達、国民達による選挙で選ばれた『議員』達から更に選ばれた者。

そして最後に『メイド長』であるフラフィーさん本名フラフィール・ルル・ルラード、曰く『国内最古にして最強』だとか、曰く『勇者サトーの最も近くに居た者』だとか。

うん、二人ぐらい呼び名に『最強』の文字が入ってる。絶対おかしいよねコレ。

勇者サトーの最も近くに居たって、フラフィーさんは何歳なんだ?とか聞いたら確実に殺されるよね。

そんなフラフィーさんに口答えするとは、『お転婆姫』もなかなかやりおる。




「大丈夫!?」




そう言って抱えあげられる、お姫様に抱っこされるコレもまたお姫様抱っこである。

くだらねぇ、もう一度自分に言う、くだらねぇ。




「えぇ・・・まぁ・・・死ぬほど痛いですガ」

「もうちょっと我慢してね、今すぐ治療術師のところへ連れて行ってあげるから」




本当に、『お転婆姫』なのか?『最強』さんから聞いていたイメージと合わない気がする。





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