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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
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第28話『対一角兎』



初戦闘、ここまで長かった・・・

フェリシア視点です。






私は駆ける。

前方にいる魔物の群れを殲滅するために。

カオルを守るために。




片手に一本ずつある短剣を握りしめる。

長年使ってきた愛剣であり、ゼイスさんから貰った大切なプレゼントでもある。

久しぶりに手に持ったけど、まるで毎日使っている包丁のように手になじむ、

この剣は私のために作られた物だというのを改めて感じる。




「<身体強化>!!<知覚強化>!!」




一瞬もの凄い速さで景色が流れたように見えたけど、

すぐにいつもの様に見えるようになった。




「行くわよ、よく見てなさいカオル」













魔物をよく見る、まだぶつかるまでは少しある。

白や斑、黒の体毛、額から長く突き出た角、長い耳、口からはみ出る鋭い牙、

大きく発達した後ろ足、大きさは人間の子供ぐらいの大きさ、

この地域でよく見る魔物、一角兎ね。

普通ならこのような群れを成すことは無いはずだけど・・・




「目が赤い・・・繁殖期?」




繁殖期になると、この魔物は子孫を残すために群れを作り、

群れの中で交尾をし、そして群れで子育てをする。

そして繁殖期の間はより凶暴性が増す。

その期間は非常に短い、一週間か長くても十日位、

この魔物は非常に成長が早く、生まれてから三日ほどで成体になる。

だが、数が増えすぎて問題になることは余りない、

増えてもすぐに他の魔物や冒険者に狩られるから・・・

この一角兎、魔物の中での強さは最底辺に位置する。

そのためよく冒険者の初心者の依頼の中でよく扱われることが多いそうだ。

頑張れば子供でも倒せるぐらいに弱い。

しかしやはり魔物は魔物、とても危険だ。

一番目を引くのがやはり角だろう、刺されるのを想像するのは容易い。

だが一角兎の一番注意すべきはその脚力だ。

角に注意して背後に回り込んだものの、

蹴り飛ばされ内臓をダメにする者が毎年必ずいる。










魔法を撃つために魔力を練ると同時に想像する。




「<風刃>!!」

「ピギャァァァァァ!!」




魔物の群れの両側に風の刃が通り過ぎる。

魔法の余波の強い風で悲鳴と血飛沫が舞い上がる。

これで一角兎の戦力の三分の二は削れたと思う。

一角兎たちが大きな耳を立てこちらを見る。

私は、一角兎たちが戦闘態勢に入る前に斬りかかる。

右手での一閃、まず通りすがりに私の右側にいた一匹の喉を斬る。

返す右手で剣の柄を使い、正面にいた一匹の頭を殴り飛ばす。

犬狼族の力に<身体強化>の魔法が上乗せされた一撃だ、ほぼ即死だろう。

その飛んで行った一角兎は他の一匹に激突する。

その時、運よく一角兎の角がぶつかった一匹に刺さる。




「ピギャァァァアアアアアッ!?」




刺さった角を抜こうと、上に乗るもう動かない仲間をどかそうとしてもがく、

だが、余計に深く抉り込むように刺さって行く。

もうあの一匹は気にしなくていいと思う。

残り十匹になったところで、左右同時に角で突き刺そうと飛び込んできた。

爆発的な脚力で飛んできたソレは、普通ならばまさに矢のような速度だろう、

だが<身体強化>、さらに<知覚強化>の魔法が掛かっている今の私には、

スライムの体当たりほどの速度でしかない。




「フッ」




軽く息を吐いて、後ろに少し下がり剣を振りかぶり構える。

そして、目の前に飛んできた二匹に剣を振り下し仕留める。




「ギャッ!」

「ギャピッ!」




残り八匹、今度は私の背後から飛び掛かってくるが、

振り返りざまに剣を振る、一閃目で自慢の角を切り落とし、

二閃目で首を刈る。




「ピャウッ!!」




残り七匹、同時攻撃もダメ、

背後からの攻撃もダメと本能で分かったのだろうか、一斉に飛び掛かってきた。

そして、この時を私は待っていた。

カオルが見つけた<詠唱魔法>と<魔法陣魔法>を組み合わせて使う魔法。

頭の中に思い浮かべるのは、土に関する<魔法陣>




「<展開>!!」




私の周りの地面に幾つもの<魔法陣>が現れる。

それとほぼ同時に一角兎たちも魔法陣の上に乗る。

一角兎たちの身が一瞬すくむ、魔法陣に集まる魔力に驚いたのだろう。

フフッ本当にすごいわね、カオルは。




「<発動>!!」




すると、地面が揺れ始める。

そして・・・




ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!




今まではそこに無かった無数の柱が現れる。

ソレは土の<魔法陣魔法>によって出来た長大な柱であった。

<魔法陣>に設定された範囲だけの地面、

そしてその下に広がる地層がそのまま、もの凄い勢いで上に突き出したのだ。

きっと、ここに地質学者が居たら狂喜乱舞する。

それはともかく、その地面に乗っていた一角兎たちも、

ものすごい勢いで突き出されたわけだ。

一角兎たちは慣性の法則に従って上に飛んでいく、

やがてその速度はゼロになり、今度は下に落ち始める。

一角兎たちは自分たちがなぜ空を飛んでいるのか、

さっきの魔力の集まりはなんだったのか、

そう思いながら体を地面に叩き付けられてその生涯を終えた。










「よし!!<解除>!!」




土の柱が突き出た時と同じような音を立てながら地面の戻る。




「いまの<魔法陣魔法>本当はあんなに強くないのにな~」




やっぱりカオルが教えてくれた古代語を<魔法陣>に組み込んだからかな?




「うわ~ベトベトだ~気持ち悪~」




カオルがいるから、カッコイイ所を見せようと頑張りすぎてしまった。

体中が血や泥で、ベタベタだ。

早く戻って、服を着替えて体を綺麗にしたい。

何よりもカオルの反応が見たい、カッコイイと思ってくれたらいいな。







初めて戦闘描写をしたのですが、とても難しいです。

もっと派手に、格好く書けるようになりたいです。

そもそも文系ではない私には無理な話なのか・・・

ご指南、ご指摘、駄目出し、ご希望、感想、お待ちしています。




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