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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
25/102

第25話『のんびり馬車の旅~ゼイスさんは空気~』



カオル視点に戻ります。

説明回です。



「カオルー!準備できたー?」

「うん」

「では、行くとするかの」




今まで色々あったけど、出発だ。

僕たちは、勇者で王様だったサトーさんの日記が残っている、

図書館があるという、王都に行くために村を出た。

この前のお買い物は、そのための準備という事だ。




「お~、馬車か~、初めて見たよ~」

「じゃあ、乗るのも初めてね」

「うん・・・あ、馬車って揺れが激しかったりする?」

「そんなことないわよ、この馬車、高かったし」

「どれくらい?」

「金貨二枚ぐらい(約二百万円)」

「うわー、高いなー、やっぱゼイスさんお金持ちなんだー」

「ほっほっほ、使わないだけじゃよ」




馬車に乗り込む。

馬車は、二頭引きで、

大きさは軽のワゴン車ぐらいの大きさ、屋根に荷物を積めるようになっている。

外装は、飾り等は殆どなく、極めて質素なものだ。

内装は、外装に比べお金がかかっているらしく、

外と中の差に驚く人が居るかもしれない。

椅子は、扉をはさんで、対面するようにして備え付けられている。

その椅子も、長旅でも疲れないように、少し硬めの椅子だ。

僕と、フェリシアが中に乗り込み、ゼイスさんは御者台に乗る。




「なんか、思ってたのと違うかな」

「どう?」

「なんかもっと、赤い絨毯みたいなのが椅子とか床とか壁とかにある感じ」

「ははっ、いくらなんでもそれは無いわよ」

「そうなの?」

「悪趣味じゃない、まぁ、他の金持ちはどうか知らないけど」

「そうだよね」




きっと、ゼイスさんが特別なんだろう。

昔は、普通に働いてたと言っていたし、金銭感覚が普通の人に近いのかもしれない。
















ガタガタと、馬車が走る時速30キロぐらいだろうか。




「意外と、揺れないんだね」

「そりゃあ、さす・・・さすなんとかが入ってるからよ」

「サスペンション?」

「そうそれ!サスペンションが入ってるからよ!!」

「へ~」




馬車にサスペンションが入ってるのは意外だ。




「サスペンションも勇者サトーが伝えたものね」

「サトーさんは一体何をしたかったんだろう?」

「そういえば、あんまり武勇伝みたいなのは残ってないわね」

「そうなの?」

「ドラゴンを倒しただとか、そういうのはあるんだけど、

 意外と少ないのよね」

「あるじゃん、ドラゴンを倒したのが」

「ううん、それでも少ないのよ、

 ましてや何百年も続いてきた戦争を終わらした勇者なのよ?

 もっとあってもいいはずなのよ」

「そんなに少ないんだ?ゼイスさんのは?」

「それが、勇者サトーよりも多いのよ」

「158年も生きてるんだったら当たり前じゃないの?」

「それも無いのよ、ゼイスさんは勇者サトーに会うまで、

 ずっと古代語の研究をしていたらしいの」

「古代語ってことは、日本語の研究をしてた?」

「そうね」

「じゃあ、サトーさんに会って、古代語、日本語を話す

 生きた資料が目の前に現れたから、もう研究する必要はないと?」

「そういう事になるわね」

「それが、58歳の時」

「そして勇者サトーと共に旅をした」

「それだったらおかしいね」

「おかしいでしょ?」

「王都に着いたら、そういうのを調べるのも面白いかもしれないね」

「その前に、することがあるわ」

「なに?」

「買い物でしょ?おいしいもの食べて、カオルに可愛い服を着せて、

 面白い物を買うの、ついでにカオルが学校に編入するための手続き」

「おいしいものは食べたいけど、可愛い服はやめて!!

 学校に編入するための手続きが何でついでなの!!」

「なんでよ!!服は重要じゃない!!

 この前買った服だって着てくれないし!!」

「イヤだよ!!あんなの!!」

「そんな!!カオルのために買ったのに・・・・・・

 そうね・・・・・・カオルは男の子だもんね」

「そうだよ」

「だったら、カオルが女の子になればいいだけの話じゃない!!」

「なんで!?」

「男の子だから着れないんでしょ?」

「そう・・・だけど・・・そういう問題じゃにゃいよ!!」

「噛んだ」

「・・・・・・そういう問題じゃないよ!!」

「無かった事にしたくても、顔が真っ赤だぞ~」

「はぅ!!」




僕達が行こうとしている王都の学校は、

国内トップクラスの学校らしい、そんな所に僕が入れるの!?

と不安になったけど、そこはゼイスさんの弟子という事で、

簡単に入れるらしい。

王都には、国の主要機関がいくつもあり、

王城や、議会などもあるらしい。

この国には、王都と言うだけあって、王様がいるらしい。

初代王様であるサトーさんの息子さんだそうだ。

王国で王様が居ても、王政ではないそうだ。

そのために、議会があり、その議会で国の方針を決めるらしい。

だが、まったくもって王様に権力が無い訳ではない、

いくらか王様も権力を持っているそうだ。

権力を持っているのは、裁判所、日本の警察機関にあたる警備隊、

議会、王、の四つ、三権分立ならぬ四権分立だ。

たぶん僕の生活には関わってこないだろうが、これも常識、

小学生でも知っている知識だと、ゼイスさんが教えてくれた。




「そろそろお昼ね、ご飯にしよっか」

「うん、お腹すいた~」

「ゼイスさん!!ご飯にしよう!!」

「ほぉ、もうそんな時間かね?」




馬車が止まる。









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