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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
23/102

第23話『状況報告はサックリと』




「<召喚>されて、しかもそれが<勇者召喚>だっていう事は分かりましたが、

 それ以外が全く分かりません」

「そうだな、全く説明していないしな」

「あの、穴と黒い腕みたいなのが<勇者召喚>と関係あります?」

「うむ、まさにそれだな」

「アレに引き込まれて<召喚>ってことでいいですか?」

「うむ、アレが出て来て私とタカ君はすぐに動いて、

 アレを撃退しようとしてたんだがな、カズ君が引き込まれてしまって、

 引き込まれたカズ君を、追って穴に飛び込んだんだ」

「アレを撃退って・・・どうやって?自分は動けすらしなかったのに」

「普通に殴って」




うん、まぁそんなこんなで『最強』さんと『最恐』君と自分はここに来たらしい。

自分が寝ている間に、騎士との対決や、お転婆なお姫様や、王様との謁見など、

所謂、王道的なイベントは全て網羅したらしい。

そして、今のところ元の世界に帰る方法は分からないらしい。

分からない。知らないではない。『最強』さんだけなら帰れるようだ。

流石『最強』。だが、自分や『最恐』君がいるとなると話は変わってくる。

複数人で世界を渡るというのは危険が大きいらしい。




「あれ?そういえば、『最恐』くんは?」

「タカ君か、タカ君は出て行った」

「何所に?」

「北」

「そんな漠然とした答えが返ってくるとは思ってませんでした」

「ああ、いや、北の辺境に村があって、そのそばの森に『賢者』がいるらしい、

 その『賢者』が帰り方についてなにか知っているのではないかという事で、

飛び出していった」

「ふ~~~ん」

「うむ、それで今私たちは人質としてここに居る」

「はぁっ!?どういうこと!?」

「いや、表向きは人質じゃないがな、まず私は人質にするには強すぎるし」

「そうですね、拘束するのは絶対に無理ですね」

「ここでカズ君の登場、カズ君が人質にされてしまったという事だよ」

「あぁ~~~死んでる間にそんな事になってたのか~~~」

「うむ、カズ君が人質にされてしまっては、私もここで勇者として

働かないといけないのだよ」

 「働くんですか・・・何するんです?そもそも勇者の仕事ってなんです?」

 「それが、何も無いのだよ、することが」

 「魔王退治は?」

 「魔王は孫が大好きなおじいちゃんだった」

「それは・・・倒しちゃったらダメですね」

「だが、その好々爺をここの王は倒せと言ってくるのだ」

「どうするんです?」

「今は一応訓練中という事になっているが、いつか倒せと言ってくるだろう。

 よって、目標はそれまでにここから脱出する。という事になる」

「もし帰り方がそれまでに見つからなかったらどうするんです?」

「その時は、その時さ」




そう言って『最強』さんは笑った。
















「うむ、そういう事で状況報告は終わりだ」

「ここまで長かった・・・本当に・・・」

「それはまぁ・・・すまなかった・・・」

「何故ここまで長くなってしまったのか?それを知る者はもう、いない」

「いや・・・それはどう反応したらいいんだ?」

「総スルーで」

「何故言った?」

「ノリで」

「ノリか、ノリなら仕方ないな」

「仕方ありませんね」

「うむ・・・・・・・・・・・・忘れていた!!」

「何おう!?」

「字がちょっと違うぞ」

「何を!?」

「そうだ・・・王様に謁見しなければならないのだった」

「孫が大好きなおじいちゃんの国に攻め込もうとしてる王様に?」

「そうだ」

「えぇ~~~」

「イヤかもしれないが、仕方ないのだ」

「挨拶して、んじゃ!!じゃダメ?」

「ダメだな」

「ワタシ、コトバ、ワカリマセーンでは?」

「まぁ多分それでいい」

「いいんだ!?あ!!そう言えば言葉は?」

「全然違うな、英語、フランス語、中国語、日本語とか、私たちの世界の

 言葉全てを全部混ぜたような言葉だった。

 意思の疎通は重要だからな、私とタカ君はすぐにマスターした」

「すぐにってどれぐらい?」

「十分」

「早っ!!無理っす、それは無理っす。自分、英語とフランス語とドイツ語と

 韓国語と中国語と日本語で精一杯です!!」

「めちゃくちゃ話せるじゃないか・・・」

「ソレはもう、文字通り命懸けでしたから!!」

「胸張って言わないでくれ、こっちが悲しくなってくる」

「マフィア映画の内容が、それはもう分かること分かることったら・・・・・・」

「マフィアか・・・良く抜け出せたな」

「死体袋に入れられて海にポイッとされました」

「死んでるじゃないか」

「ええまぁ」

「照れるな!!」

「その時が五回目ぐらいですね、小学五年生の時ですかね」

「マフィアに殺される小学五年生ってどうなんだ」

「まぁ、そんなことがあっても・・・・・・良くないですね、うん、良くない」

「自己完結した!?」

「とまぁ、言葉は命が懸ってたから憶えれた様なものなので、

 普通に勉強しても、覚えられる気がしません」

「はぁ、ダメだなカズ君は、カズ君はダメだな」

「二回も言われた!?」

「そんなカズ君のために私がとっておきの魔法をかけてあげよう」

「たすけてー!!ドラ○もん!!」

「ドラじゃないな、勇者だ」

「勇者様!!お願いです!!助けてください!!」

「よぉーし!!いくぞ!!<言語理解>!!」

「わぁーーー!!・・・・・・って何もないですね

 光とか、エフェクトが、地味ですね」

「そうだな・・・よし!!<光>よ!!」

「目が!!目がぁぁぁぁぁぁ!!」

「すまない・・・強すぎた」





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