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僕達の異世界生活  作者: 真島 真
『かわいい』あの子と『最強』と『最恐』
21/102

第21話『弾む話と進まないストーリー』



「あれ?カズ君?カズく~~ん?・・・あっ、死んでる!?

 戻ってこい!!戻ってこいカズ君!!・・・せいっ!!」




カッ




「眩しいなぁ」

「確かにちょっと明るすぎるね」

「電気の無駄遣いだよ~~~」

「そうだな、いや、電気かどうか分かんねぇがな」




カッ




「良かったーーー!!死んだかと思ったよ!!」

「今確かに死んでましたよ?僕」

「うっ!!・・・すまない」

「まぁいいですけどね、何回か経験ありますから」

「良かった・・・って、良くない全然良くない!!

 何?死んだ経験が何回かあるだと?」

「ええ・・・さっきまで忘れてたんですけどね、

 今のでまた一回増えました」

「ぐっ!!・・・すまない・・・というか許してないだろカズ君」

「それで?」

「それでとは何だ?」

「この状況ですよ・・・何か知っているんでしょう?『最強』さん」

「あ、あぁ、この状況のことな、ちょっと待っててくれ」




そう言って『最強』さんが後ろにいるメイド?さんに何か話しかける。

そしたら、メイド?さんが部屋から出て行った。




「<空間遮絶>・・・これでよしっと」

「『最強』さん、何なんです?今の」

「魔法?」

「僕に聞かないでください」

「魔法・・・」

「言葉尻を濁さないてください」

「魔法!?」

「驚かれても困ります、っていうかそれはそっちのセリフです」

「さすがだなカズ君、起きたばかりなのにツッコミが冴えている」

「起きたばかりなのに突っ込まさないでください」

「厳しいなカズ君は、ご飯を用意して息子の帰りを食卓で待つお母さんの様だ」

「なんか優しそう」

「ただしその間お父さんも娘も食卓から動くことを許されない」

「厳しい!!というか怖い!!」

「息子は34歳・独身・フリーター・持っている夢は大きい」

「しかも悲しい!!」

「娘は再婚した夫の連れ子・25歳・独身・OL」

「さらに盛ってきた!?」

「息子と娘は幼馴染だった」

「なんか複雑!!」

「そして現在両思いだ」

「家族間で禁断の恋が!!」

「しかも実話」

「重い!重いよ!!『最強』さん!!

 だけど先が気になる!!どうなったんですか!?息子と娘は?

お母さんは?お父さんは?」

「その娘と息子が私の両親だ」

「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

「まぁ、最初こそ揉めたらしいが、今ではいい思い出だそうだ」




今明かされる『最強』出生の秘密!!

このネタは良い値で売れるかもしれない。




「カズ君は『新聞部』には黙っていてくれるよな?」




『新聞部』、ウチの学校で学校新聞などを発行している部という事になっている。

表向きには・・・という前置きが付くが。

その実態は教師も生徒も関係なく、

暴いた過去や痴態などを校内で振り撒く、

学校一の『嫌われ者』だ。

『新聞部』には『新聞部』のポリシーがあるらしいが・・・

『新聞部』でない自分は知らない。




「いいえ」

「カズ君は『新聞部』には黙っていてくれるよな?」

「良い値で売れそうなので断ります」

「カズ君は『新聞部』には黙っていてくれるよな?」

「きっとこのネタは一万円ぐらいで売れます」

「もうちょっとするんじゃないか?」

「それ位が妥当じゃないですかね?」

「自分で言うのもなんだが『最強』のネームバリューは凄いぞ」

「そうですね・・・そのことも考えないと・・・」

「売るなよ?」

「え?売りますよ?」

「売ったらその時は潰すからな、

 具体的に言うなら、この腕で、物理的に」




ふざけ過ぎた。

物理的につぶされるのは嫌だ、まして『最強』さんに潰されたら

ミートペーストになってしまう。

コレは冗談なんかじゃない、本気だ。

『最強』さんの腕力は、異常だ。

ホームに落ちた女の子を助けるために、電車を受け止めるぐらいなのだ。

腕力どころの問題じゃない気もするが。

まぁ、『最強』の名はダテじゃないという事だ。

潰されるのは嫌なので話をそらす。




「・・・そんなことより!!話がずれてます。

 『最強』さんが魔法を使うの初めて見ました。凄いですね、魔法」

「『が』?もしかして、お前は魔法を見たことがあるのか?」

「?『魔法少女』が居るじゃないですか、ウチのクラス」

「いやいや、それはただのあだ名だろう?」

「何を言ってるんですか、

 そのあだ名通りのあなた言いますか『最強』さん、

 じゃあ、『ゴリラ』の五里山君は何なんですか?」

「ゴリラっぽい人」

「なんですか?『っぽい』って、

 じゃあ『スライム』の洲羅(すら)君は何なんですか?」

「スライム・・・もしかして、ウチの学校・・・

 ウチのクラスっておかしいか?」

「おかしいですね・・・ってまた話がずれてます」

「そうか・・・ウチの学校はおかしかったのか、

 ん・・・どこまで話したっけ?

ああ、なぜカズ君のあだ名はカズ君なのか?だったな」

「違います」




もういいよ!!いつまで引っ張るんだ!!




(話、進まないね)

(うん、でも楽しそう)

(・・・もしかして俺たち忘れられてないか?)







何でだろう?

話は弾むのに話が進まない。

会話が八割を占めている。しかも、ボケとツッコミの応報がほとんど。



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